一一二.ヤマトのツジツマ・波動砲(5)

 波動砲を使う勢力が限られる理由として、もう一つ補助線を引いてはどうかと思います。

 波動砲の射程は、主砲の約二倍という数値を昔の資料本で見た事があります。ちなみに副砲は主砲の半分だったかと。

 これですと、一部の超長距離砲を持つ艦隊以外には波動砲で決着がついてしまいます。

 そこで、波動砲の射程を主砲並み、あるいは副砲並みとしていたらどうでしょうか。

 それさえ放てば戦局を一変できる波動砲。しかしそのためには、敵の集中砲火に耐え、懐深くに入り込まねばならぬ。それが出来るのは怖ろしく重装甲の『馬鹿でかい』ヤマト(とその改良拡大版である地球の戦艦)。


 あ、余談ですが、そのためにはやはりヤマトが馬鹿でかい船であってほしい。後の敵勢力の主力艦はしょうがないとしても、ガミラスのデストロイヤーがヤマトより大きいのは……2199は基本支持してますが、あれだけは納得ががが。


 ちなみにデスラー砲には、波動砲になかった特色があります。いや、元は単に作劇上の都合に過ぎなかったのでしょうけど。

 第一作最終回でデスラーは、ヤマトの探知圏外からデスラー砲を発射しています。しかしそのタキオンビームは細く絞られていました。

 一方で『さらば』におけるように、複数の艦を包み込むほど広範囲で射撃する事も可能でした。

 これこそがデスラー砲の、波動砲に対して一日の長がある点ではないでしょうか。


 や、そこでビームを絞っていれば、ガトランティス駆逐艦が巻き添えになる事もなかったのですが。

 恐らく瞬間物質移送機の有効範囲がデスラー砲の最大射程より短かく、ために第一作の時より接近して発射したのでしょう。そのせいでヤマトに所在を察知され、短距離ワープによる接舷戦闘を許してしまうのですが。

 やっぱりドメル戦法の名をデスラー戦法に変えてしまった報いでしょうか(それは南部のせい)

 対してヤマトの波動砲にはそれを自在に制御する事が出来ず、だからデスラーの助言を受けて白色彗星の渦中心核を狙うためには、波動砲の改造が必要だったのです。なんかこう、ちょっと辻褄が合ったような気がしますw


 そうすると、超巨大要塞をその射程、探知圏外から細い波動砲で貫いたり、艦首をわずかに振って要塞を真っ二つ、なんてアクションも出来そうです。てか、私が見たいw

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