九十一.『さらば』とは何か再び(っぽい?)

 ここで少しばかり、『さらば』の擁護をしたいと思います。

 それは終盤での沖田のセリフについてです。


 最後に残された武器、それは命。そう語る沖田のセリフは、第一作での、いかに苦しくとも生き抜くのだという彼からは想像もつかないものでした。その違和感を語る方は多いですし、私も同様でした。


 ただ、ですよ。

 第一作の時とは状況が違うというのはありますね。あの時は、例えば冥王星会戦の時。沖田には(古代守にも)、地球に戻り、再起を期する時間と空間の余裕がまだギリギリありました。

 しかし『さらば』の状況ではどちらもありません。一時後退は地球と人類の全滅を招き、ヤマトのみ脱出するしかありません。生き残るのは19人、しかも全員男性です。脱出したディンギル人のような非道な方策(書けないよ!)を取らない限り、人類完全滅亡は時間の問題でしょう。


 無論、この沖田は古代の心の中の沖田なのですが(ですよね?)、実際の沖田であっても、古代に「今は一時の屈辱に耐えろ」とは言わなかった事でしょう。

 このシーンは、古代があの一年の度で成長したおのれと対話し、この結論に至るまでを描いたものであり、皆の命か、自分の命かという究極の二者択一に答えを出すための葛藤を映像化したものだったと言えるでしょう。


 ま、でも沖田っぽくないのは否めないですよね(汗)。


 と、こんな感じでグダグダと『さらばとは何か再び』は終了いたします。

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