六十八.偶然と必然

 さらばでの「慌てず(以下略」シチュだと、加藤が真田さんの代わりになる事はあり得ませんでした。しかし2202では、波動掘削弾を抱えた戦闘機の上に斎藤が乗って……という状況になりました。これなら、戦闘機を操るのが加藤でも良かった筈。

 ていうのも、加藤の戦死シーンにいささか不満があるからで。


 いや、分かりますよ? あの『選択』をしてしまったせいで自責の念に囚われ、死を望んでしまった加藤を、その望みのままにただ死なせるべきではないというのは。

 こういう所、福井晴敏氏(もちろん監督も、でしょうけれど)のモラリストな面が出ているのだろうなと。

 だから、ヤマトの生存を知り、再び生きて戦う決意を加藤にさせる訳ですね(ここは想像です)。


 だけど、写真の真琴に語り掛けている間に流れ弾受けて(その後ラーゼラーと刺し違えにはなりますが)戦死ってのがベストだったのか?

 こういう、戦場の偶然によっておこる不条理な死は、ガンダムだったらありでしょう。でも、ヤマトでメインキャラ、しかもエースパイロットが流れ弾で死ぬのは、うーん、無し、な気がします。

 確かにヤマトも『戦いで解決するのが最上じゃないんだよ』という事は良く言ってますけど、それでもヤマトでの名のあるキャラの戦死は、やはり『見せ場』であったし、見る人もそうであってほしい人が多いのではないかと。


 だから、

『生きる意志を取り戻した加藤が奮戦』

『弾薬補給の為に旗艦している時に、滅びの方舟の覚醒を知る』

『ヤマトや地球の皆と、そして真琴・翼を共に救うために決意』

『波動掘削弾を装備して出撃』

『斎藤が乗って(以下略)』

 っていう流れなら良かったかな、と。


 まあそうするとオリキャラのキーマンが生き残っちゃって、続編作る人には面倒な事にはなりますが。

 でもどうせ銀河とそのクルーも生き残っちゃって、面倒な事になりそうですし(爆)。

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