第52話 マンドラゴラは危険だよね

「これより皆さんの、聴覚を消し去ります」


ジーフは、イロハの頭に手を当てる、続いてラミーとレミーにも同様に頭に手をかざす。

グレイドック達にも同じく、手をかざし、最後はポチに手をかざす。

何も聞こえない、荒野に吹く風だけが、何かを語っているようだ


ジーフは地面に生えている草を引っこ抜いた


その草の根は、まるで人形のような見た目で、口がある大きく口をあけているが

何も聞こえない、空を飛んでいた鳥が2羽落ちてきた。


「ああ、ごめんなさいね、鳥さん、あなた達は責任もって、今晩の食料にいたします」


ジーフは皆に手をかざし、気を込め始めた、

静寂な世界が、その終りを告げた。


ラミー

「ホュ~、こんな体験初めて・・・」


イロハ

「ジーフ様、これが『マンドラゴラ』ですか?」


ジーフ

「そうよ、これがマンドラゴラ、エリクサー作りの材料・・・1つ見つけるのに2日かかりましわね」


マンドラゴラ

この世界で生える1年草だが、魔力を浴びて能力をもつ。

地中から引き抜かれると、けたたましい悲鳴をあげる、その悲鳴を聞くと精神がやられてしまう。

万能治療薬エリクサーの材料の一つのほか、長寿の秘薬としても使われる。


レミー

「来ました!」


ジーフ

「そのようですわね・・」


ドドドドドド・・・・・


キシャ~


地中から現れたのは、『レッドサンドワーム』

マンドラゴラの悲鳴を聞くと現れる魔物だ。


ラミー

「でかい・・・うわ!」


グレイドックがラミーを引きさがらせる

ラミーの元いた場所にレッドサンドワームがもう一匹、地中から現れた。


ウ~バウバウ !


ポチが最初に現れたレッドサンドワームに噛みつき、肉を引きちぎる。

たまらずレッドサンドワームは地中に潜り込む。


ジーフ

「さあ、オノケリスよ私の体を使いなさい、存分に暴れてみなさい」

ジーフは語りかける、

その瞬間、ジーフの表情は、恍惚にあふれた表情に変わる


「ふふふ、最近キンタローに抱かれてないから、私もたまってるんでね・・思う存分、楽しませてもらうよ」

そういうと、もう片方のレッドサンドワームを蹴り飛ばした、蹴られたレッドサンドワームは岩場まで吹き飛ぶ。


「はぁ~こんな低級な奴らが相手かい?もっと楽しませておくれよ・・」


ジーフは吹き飛んだレッドサンドワームの場所まで、ものすごい速さで移動し止めを刺した。


残るレッドサンドワームは土の中だ。


イロハは自らの血を、地面に垂らす

「さあ、地中を支配する、菌たちよ、私に仇名すその怪物をあぶりだせ」


その瞬間、残ったレッドサンワームが地中から飛び出る、体中にカビが生えている、ポチにかまれた傷はわずかな間で腐り始めている。


イロハは闇の炎を発生させ、レッドサンドワームを焼き尽くした。


レミー

「私らの出番はなしか、楽ちんだね」


ラミー

「油断するな!」


ラミーはレミーに向かってナイフを投げる、そのナイフはレミーのすぐそばを通り過ぎ

小型の魔物、ポイズンスパイダーに突き刺さった。


レミー

「ふえ~ごねんごめん!あ、来た」


上空から現れたのは『ヘルコンドル』鳥の魔物だ


ラミー

「私らの獲物だ!レミー行くよ!」


レミー

「おうよ!」


上空から複数のエルコンドルが襲いかかる、ラミーとレミーは飛びはね、ヘルコンドル達を切り刻む。

その強靭なジャンプ力でヘルコンドルを踏み台にして空中を移動しながらヘルコンドルの群れを攪乱させる。


レミー

「ボスはてめえだな!」


レミーは群れの中でひときわ大きな、魔物を攻撃する。


キシャ~


その魔物は『キメラコンドル』 体はヘルコンドルで顔は人のようであった


「なんじゃ~お前ら~、ここは我らの縄張りじゃ~何しに来た~」


しかし、その問いに答える事もなくレミーはキメラコンドルを切り捨てた。

途端に周囲のヘルコンドル達が光へと消えた。


シュタ! シュタ


ラミーとレミーが地上に降りる。


ジーフ

「御苦労さま、あと一つ取らないといけないので、頑張りましょう」


本来1つあれば、ジーフの作ろうとしている薬の分は間に合うが、ジャーニーの守護者、テクムセへの貢物として、もう一つが必要だった。


それは数日前にさかのぼる



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