第12話 子供が出来ると生まれる前から張り切っちゃうよね

シンシアが生活に加わった。


年齢はジェニファーと近く、姉妹の様に仲がいい

しかし夜の暴走がやりにくくなってしまった。

いやでも暴走しちゃうけどね・・・だって新婚なんだぜ・・・


でも流石に毎晩というわけではない 

その事については

シンシアの方から言ってきた


シンシア

「二人は新婚なんでしょ、我慢しなくていいからね、私はアメリカ人の15歳よ、

ママとパパは毎日の様にしてたから、よく妹と二人で覗いてたしね」


流石は見た目が幼くてもアメリカン・・・性に対してはさほど嫌悪感は無いらしい

といっても彼女は10歳くらいからずっと病院暮らし、それまでは一般的なアメリカの幸せな家庭、妹と親の情事を覗き、年がら年中チュッチュする両親を見ていた。


しかし自分が病気になってから、たまに退院しても両親は自分に遠慮し。

母親は自分につきっきり、しまいに父親はお決まりの浮気で、離婚・・・

妹は父親の元に、家族がバラバラになってしまったそうだ 。


でも父親は金銭面の支援は止めなかったし、むしろ離婚してからの方が家族の仲はよかったそうだが。


一度泣きながら訴えられた私に遠慮しないでほしいと上記の事を言われた

まあそれでも流石に毎晩というわけにはいかなかった


最初は、嫌がっていた農作業も、シロとクロとすぐに仲良くなり。 

クロの子供ももうすぐだねって話している。

ニワトリたちも彼女と仲がいい、しかし時折


「フライドチキンまた食べたいなあ・・お前は美味しそうだよ」と


ニワトリたちが恐怖する事も言っている。


俺にとってありがたかったのは、クマのぶーちゃんだ いや俺は敬意をこめて

ブーさん師匠と呼んでいる。

俺の戦闘訓練をしてくれる、師匠の腕を切ってしまったとき、

シンシアは泣いて怒ったが師匠は問題ないさとジェスチャーをして

一度消え再びシンシアの後ろから現れた、五体満足な状態で。


そう、これは死なない兵と同じような作用だ、そして恐ろしく戦闘能力が高い。

武器を使わないので体術だが、1ヶ月もシンシアを守ってきたその強さは本物だった。

師匠により俺もかなりの上達を感じた・。


シンシアは

俺が出す前世界の品物を出す方法を聞いてきた、ネットルームの存在は教えたが。

シンシアがその中に入る事は出来なかった、つまりその地下室は俺しか入れない。


シンシアにお願いされてシンシアの母親にメールを送ろうとしたがメールを送ることはできなかった。

何かしらの力で前世の人間との連絡に制限があるようだ


しかしシンシアの母親の情報は分かった

シンシアの母親はシンシアが亡くなって1カ月後にシンシアの父親と再婚している

その情報にシンシアは喜んでいた。

シンシアの家族のFBにはシンシアへのメッセージが、一方通行だがひっきりなしに書かれている、誰もシンシアの事を忘れていないようだ。


しかし、そのFBは俺がここに来た時で止まっている。

そもそもこのパソコンには時間の概念がない、だからダウンロードゲームはできるが

オンラインゲームはできない。だから新商品も出ない、俺がこの世界に来た時の物なら何でも注文できそうだが、それ以降の新商品は注文できない。


プリンターをポチって、パソコン画面を印刷もできなかった。

ネット情報を印刷しようとしても白紙で印刷される、つまり、向こうの情報を印刷する行為はできなかった、俺が覚えるか書き写すかするだけだった。


このパソコンでできるのはネットサーフと買い物だけだ、その買い物も普通では買えないような物まで買える。

まだまだわからない事だらけだ・・・


クレアとミラのベロニカ商会への通信は成功し、ベロニカから船が向かっているらしい。

ベロニカ商会も新しい守護者の情報を欲しがっているようで、領主自らこちらに向かっているらしい。


クーマー王国の情報も入ってきた

グラスさんが恐れていた魔人化も、クーマ各地でおきクーマ王国は大混乱に落ちた。

その治安維持にベロニカ商会も兵を派遣し魔人討伐に出る。

国内は混乱したが、魔人は討伐されたらしい。


ジャン・クーマーの交代者は、ステファニー・チェン、20歳の女性でクレアとミラが懸念したように、王バルガ・クーマーは半ば強制的に伴侶とした


しかし伴侶なった王はステファニー・チェンに逆らえなくなり尻に敷かれる事となる。

彼女の能力がそうさせているようだ。


王女となったステファニー・チェンは気さくで民思いだが、夫には強い女性だった

ステファニー・チェンは出歩くことが好きで、クーマーの中をよく侍女を連れて散策している


しかも身分を隠して散策しているようである、女版水戸黄門みたいな事をしている

本来そんなこと許されないが、王はステファニー・チェンには逆らえないのである


恐らく彼女の能力だろう、機会があったら接触してみたい。

予想するに英国圏の名前に中国系の姓、香港あたりの転生者だろうか。


クーマの情勢も安定し、ちょうどグラスとの定期便も復活させようとしていた所らしい


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さてシンシアも生活に加わり農作業も仕事が減ったので、勉強の量を増やしている。


召喚術の研究である、召喚術は闇属性と光属性があり、闇属性は自分の腹心となる悪魔を召喚する

光属性が守護を担う天界の聖獣を召喚する魔法である


腹心の悪魔も魅力的だが、この町に欲しいのは守護者であろう。

一回実験したが何も起きなかった、この辺の魔力を上げる為に光魔法を多く、練習しなくてはいけないな。これからの課題だ。


クレアとミラはホッソリしてきた、もともと兵士なので激しい訓練は問題ないが。

狭い空間の運動不足の中でケーキしか食べない、という地獄からの生還で生き生きしてきた。


二人とも気さくな性格でグラスの人ともすぐに仲良くなった。

やせてくると結構美人だ、うん!闘う女性はなんか美しい。


太った副作用で乳が大きくなったようだ、特ににミラの乳は男どもの視線を釘付けだ・・・

でも、俺にはジェニファーがいるからね、ジェニファーは乳も世界一の美しさだ。


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畑の方は豆科の作物が全滅した、土に根粒菌が少ないのであろう。

言われてみれば、雑草に豆科の植物がないので、この地域には根粒菌がいないか少ないかだろう。


豆科の植物は、土の中に潜む根粒菌を根に住まわせ、空気中の窒素分を取り込む。 

逆にどんな肥沃な土でも、根粒菌がいないと枯れてしまう。


根粒菌がいれば、むしろ肥沃な土より痩せた土の方がよく実をつける植物だ。

やせた土地の土壌改良に、豆科を植えるのは空気中の窒素分を土に入れ込み土を肥沃にさせる働きもある。つまり土が痩せているこの島では根粒菌さえ増やせれば、豆科から始めて肥沃な畑を作れる訳でもある。


今回は実生栽培だったが、今度は苗木をポチった。苗ポットに根粒菌入りの土が入っている。

新しく植え直し、夏には枝豆も収穫できるかもしれない。そして大豆。

大豆の収穫が増えれば、大豆加工品も増やせるかもしれない。


土の中の菌を増やす魔法は闇属性だ、この菌を増やすイメージというのは難しい・・・

農家育ちの俺だから根粒菌は知っていたが、それがどんな形、どんな菌かまではよく知らない


でもネットは優秀だ、詳しく書いてある、根粒菌について勉強しイメージを頭に入れる。


そして新しく植えた苗の周りの菌が広がるように魔法をかける。

成功しているといいが、これは育って見ないとわからない、楽しみであり不安でもある。


他の作物は順調だトマトも茄子も唐辛子もピーマンもししとうも元気いっぱいである。


光魔法練習で 夜も光りをあてられて成長もはやい


夫婦そろって光魔法は力入れているからね


ウリ科も種類を増やしていた。

スイカ メロン キュウリ 冬瓜 ゴーヤとウリ科畑も順調だ


新畑のオクラは元気がいい、育てやすい作物だ。


水魔法練習で水やりも欠かさないからね 


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シンシアが来て2カ月ほど


シンシア

「ジェニファー!お腹に命があるよ、うっすらだけど・・小さな命を感じる」


ジェニファー

「え?」


「え?」


シンシア

「私は、動物としゃべれる能力をもつの、動物とテレパシーみたいなね、だからしゃべれない動物の意思、という物も感じるのよ。

シンシアのお腹に小さな、小さな意思を感じるのよ。 

きっと赤ちゃんよ、赤ちゃんができたんだよきっと!」


ええええええええええええええええええええええええええええええええええ

まじか~


ジェニファー


「そういえば生理も遅れている・・・私に赤ちゃん?」


俺の子か、いやそうだよ!俺の子だよ。


シンシア

「うん、多分だけどね、いや間違いなく赤ちゃんの意思だ、まだ性別は決まってないみたい」


その日から俺はネットで赤ちゃん用品をポチりまくった


シンシア

「ちょっと~キンタロウ いつも私にこの世界で再現できない物はあまり買わないって怒るのに、なに?この赤ちゃん用品は。」


「いやだって・・・」


シンシア

「キンタローがしっかりしなくちゃだめでしょ、全くこれだから、男はダメなのよ」


子供の分際で生意気なシンシアに怒られてしまった、全くアメリカンな妹だよ。

いや名目上は俺の養子だからこれから生まれるのはシンシアの妹か弟か・・・


ああ・・うれしくてしょうがない


でも日に日にその責任の重さが自分にのしかかり 勉強も訓練も気合いを入れた。


その時ベロニカ商会からの商船が港に付いたと連絡があった。




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