人間たのしいアリのよう

とんがりあたまご

第1話 とんかつ

新学期が始まったかと思いきや、気がつけばテスト。

それも気がつけば終わり、時代は夏休みへ―


なんて、イージーモードなら良いものだが、人生なかなか一筋縄では行かぬ。

朝起きるまで、人生を淡々と生きていたのがちょっと悔しかった。


なぜなら、私はいわゆる「TS」をしたからである。


まぁたTSか、そう思われた方もいるかもしれない。

しかし、だから何だ?人間は人間だろう。何も変わらないのでは。

少なくとも私はそう考える。


私の場合は男→女であるが、こうなったことに何も感じない。

淡々と生きてきたから、淡々とした性格。

これから夏休み三日目をどう過ごそうか、そう考えられる余地があるくらいには冷静である。たぶんNK-POPでも聞くのではないか、と思う。


ところで私には妹がいる。妹は私を見て、世間で言う一般的な反応を返した。

かわいい、ともなんとも思わない。

私自身、中学校に上がる頃から異性・同性を気にすることがなくなったので何も感じない。まったく、淡々と生きすぎた。


さて、今日の晩御飯はとんかつである。近所のスーパーで私が肉を購入した。

パン粉は家にあったので、事足りた。服は妹のものを借りた。

TS後、妹と背丈が似たので服がちょうどだった。


正直、淡々と生きてきたので生活は「普遍的なTS作品」のように、苦労するところはある。しかし、淡々と生きてきたといえど、人と同じことをするのはそこまで好みではない(すぐにその状態に飽きてしまう)ので、TSは経験値が積める良い機会だと感じた。


さて、盛り付け完了、今日は妹と二人で食事を食べる。



7/22/20xx

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