邪魔者登場ショガ
「じゃあここでお別れノコ。」
「気を付けて行ってくるノコ~。」
「うん。ありがとう2人とも。貴方たちもお仕事頑張ってね。」
「「ノコ!」」
役所で手続きを済ませた私はノコッチとノコスケに、ツチノコ達がいる山へと続く森まで案内してもらっていた。
私は2人に軽く手を振りながら森の中へ足を踏み入れた。あまり整備されていない森の道を四苦八苦しながら進む。
「やっぱりこの靴だと歩きにくいわね…。」
靴擦れを起こさないか心配だ。
「そういえば、受付の子に急かされてしっかりと契約書読んでいなかったわね。」
私は立ち止まり、木に杖を立てかけて懐から契約書を取り出した。
「ふむふむ…確認されている悪さをするツチノコ達の数は……約50!?」
5,6匹ぐらいだと思っていた…。ノコッチが止めるわけだ。
「ちょっと安請け合いだったかな。」
しっかり内容を聞いておくべきだった。
「こうなったら先行しているという野菜に追いつくしかないわね。」
どうにかして協力してもらおう。それに、もしかしたらもうその野菜が全て解決しているかもしれないしね。その場合は私は報酬がもらえないけど…。
「あれ?」
再び歩きだし、しばらく歩くと行き止まりにぶつかった。
「道を間違えたのかな。でも一本道だったし。」
分かれ道なんてなかったはずだ。…よく見ると道の上に誰かが土や木々などを置いて通行止めしている感じだ。
「もしかしてツチノコ達が…?」
そうつぶやくと、
「「はーはっはっはーーーー!」」
突然笑い声が響き渡った。
「誰!?」
周囲を見渡しても誰も居ない。
「「とうっ!」」
周囲の木々から私の目の前に2人の野菜が飛び出してきた。
「俺の名はショーガー!」
「おいらはワサービー!」
「「ここから先は通さんショガ(ワサ)!」
ショウガとワサビが現れた。
「貴方たちはツチノコ達の仲間!?」
私は身構えて質問をする。
「答えはノーー!ショガ!」
「あんな奴らと一緒にするなワサ!」
「俺たちは無差別に野菜たちの行く手を阻み!」
「勝負を仕掛けるナイスべジだワサ!」
なんてはた迷惑な奴らだ。
「なんでそういうことをするのよ。」
「「そんなの楽しいからに決まっているショガ(ワサ)!!」
2人は決めポーズをとり答える。
「さぁ人間!ここを通りたければ俺らを倒すショガ!」
「無理やり登って通ろうとしても後ろから邪魔してやるワサ!」
何コイツらめんどくさい。
「さぁ、かかってくるショガ!」
「カモーンワサ!」
そういってふりふり揺れながら構える2人、どう見たってタケノコ将軍より弱そうだ。
「はぁ、容赦しないわよ?」
そういって私はトマト袋からトマトを取り出して齧る。
「何しているショガ?」
「おいら達に恐れをなして、頭おかしくなったワサ?」
「……。」
2人の言葉をスルーしてトマトを食べ進める私。
食べ終えた私は杖を構える。
「「?」」
「トマットノン」
頭に思い浮かんだ魔法を唱える。
私の目の前にトマットより大きな光の玉が現れる。
「ショガ!?」
「ワサ!?」
「いけ。」
玉が軌跡を残しながら飛んでいく。ショーガーとワサービーの間を通り抜け、
ドカンッ
道をふさいでいる壁にぶつかり、壁を消し飛ばした。
「「しょが(わさ)ーーーーーーーーー!?」」
2人がそれを見て驚愕した声を出す。
「壁もなくなったし私は行くわね。」
そういって私は2人の間を通り道を進める。
「お、覚えていろショガ―!!」
「絶対に仕返ししてやるワサー!!」
後ろで2人の声が響いた。
トマトクエスト トマトとタケノコ @tomatake
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。トマトクエストの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます