村長からの依頼ノコ!

「ツチノコ…?」

 村長の家に泊まらせてもらい、朝食も頂いた後、ノコッチとノコスケが訪れてきた。訪れた理由は私の金策についてだ。現在私は無一文のため、即急なる解決策が必要であった。

「そうノコ!北の山で悪さを行っているツチノコ達を懲らしめて欲しいノコ!」

 ノコッチが持ってきた案がこれだった。ていうか、あの幻のツチノコがいるのかこの世界。ってかツチノコは野菜じゃなくない!?

「これは村の役場で懸賞金が出ている内容ノコ!ね、村長さん!」

 ノコッチが村長に話を振る。

「ノコ。確かに懸賞金が出ている話で、ワシ等もツチノコらの悪さに大分困っているノコ。…でも危険ノコ、わざわざ赤茄子様にやってもらわなくても大丈夫ノコ。」

 話を引き継いだ村長が体を揺らしながら言う。

「そうノコよ~。わざわざ赤茄子様にやって貰う必要ないノコ。赤茄子様、お金とか気にしなくてもいいノコから、いくらでも家にいていいノコよ。」

 村長の奥さんがこう言ってくれる。だけどそれだと私の心が苦しすぎる!懸賞金の額がいくらかまだ聞いていないけど、ノコッチがわざわざ持ってくるぐらいだから低い額ではないだろう。それに、

「一日とは言え、村長さんを初めこの村の色々な方にお世話になりました。ぜひともやらせてください!」

 色々お世話になったのだ。恩を返さねばいけないってもんでしょう。

「全然気にしないでいいノコに…。」

 奥さんが優しく言ってくれる。

「村長の奥さん大丈夫ノコ~。何も赤茄子様だけでやるわけじゃないノコ~。」

 とここでノコスケがのほほ~んとした感じで言う。

「?ノコスケ達も手伝ってくれるの?」

「僕らは仕事があって手伝えないノコ。」

 ノコッチが答えた。

「この件は先着がいるノコ~。分け前は折半になるけどその野菜と協力してツチノコ達を懲らしめるといいノコ~。あっちも流石に1菜だけじゃ大変と思うから協力してくれると思うノコ~。」

 先着がいるのか…。でもその方がよかったかもしれない。私だけじゃ色々不安だった。

「それじゃあ、その子のところに案内してくれる?」

「「任せるノコ(~)」

 そういって立ち上がる2人。

「赤茄子様、くれぐれも気を付けて行ってくるノコ。あと、懸賞金はすぐにはもらえないだろうから、今晩もうちに来なさいねノコ。」

 奥さんが玄関まで見送りに来て言う。

「ありがとうございます。行ってきます!」

「行ってきますノコ。」

「行ってくるノコ~。」

「いってらっしゃいノコ~。」

奥さんに見送られて私たち3人は村長宅をでた。

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