第2章
ラダサフワ村へ行くノコ
「それじゃあ皆ラダサフワ村へ出発するノコー!」
「「「「「「「「「「「ノコーーーーーーーーーー!」」」」」」」」」
しばらく休んだ後、私はタケノコ達の提案により、森を出てすぐにあるラダサフワ村へ共にいくことになった。
将軍代わりとしてノコッチが指揮を執り先導する。
「皆しっかりと赤茄子様を護衛するノコよ!」
どうやら将軍を倒したお礼として、私を護衛することにしたらしい。私の周りをぐるりとタケノコ達が囲んでいる。
「了解ノコ!」「虫一匹さえ触れさせないノコ!「まかせるノコ!」
タケノコ達もかなりのやる気を見せている。そんなに団結力があるなら自分たちでタケノコ将軍をやっつければ良かったのに…。この人数で囲めば多分いけるだろう。
「赤茄子様はどんな筍料理が好きノコ?」「赤茄子様は餃子にタケノコ入れるノコ?」「空飛べるノコ?」「冷奴はワサビ派ノコ?ショウガ派ノコ?」
タケノコ達は色々と私に質問してくる。休憩の時も結構話したのだが物足りなかったみたいだ
ちなみにだが、私への呼び名を赤茄子魔導師から変えさせている。ノコッチとノコスケのように名前で呼ぶようにした。ただやっぱり私の名前は彼らには「とまと」と聞こえるらしい。
「はぁ、はぁ、はぁ。」
タケノコ達と喋りながらしばらくは元気にザクザクと歩いていたが、やっぱり都会っ子の私にはかなりきつい。運動部だった頃は整備されたところでしか走っていなかったしなぁ。そもそも服装が山道に適していないのよ!特に靴が。服装は召喚前の服装にローブとかを上から着ている。故に靴は召喚前のもので、決して山に行く用の靴ではない。
「赤茄子様疲れたノコ?」「大丈夫ノコ?」「少し休憩するノコ?」
周りのタケノコ達も私に気を使ってくれる。
「ノコッチ―!赤茄子様が疲れた見たいノコー!休憩した方がいいノコー!」
私の隣を歩いていたノコスケが先頭にいるノコッチに向けて声を飛ばす。
「皆止まるノコ―!」
ノコスケの声を聞いたノコッチが行進を止め、私の方にやってきた。
「赤茄子様大丈夫ノコか?」
「はぁ、はぁ、大丈夫よ。ありがとう。」
ノコッチの質問に大丈夫と答える私。実際はかなりきつく、休みたいのだけどあまり迷惑掛けるわけにもいけないし、運動部だった意地もある。
「そうノコか?無理してないノコ?」
「大丈夫。大丈夫。」
「…わかったノコ。あと少しで森を抜けるからそれまでの辛抱ノコ!ノコスケあとは頼むノコ。」
「ノコ!」
そういってノコッチは先頭に戻っていった。
「本当に大丈夫ノコか?」
ノコスケも心配して聞いてくる。
「ええ、大丈夫よ。ありがとう。」
「もしもの時はノコの体を貸してあげるノコ!」
「あ、ありがとう。」
体を貸すってどういうことなのだろう。もたれかかっていいってことなのかな。痛そうだけど。
「みんなー再び出発ノコーーー!」
「「「「「「「ノコ―――――――!」」」」」」」
ノコッチの声が響き渡り再び歩きだした。
ト マ ト ク エ ス ト(^^^”)
歩きだして10分くらいごろようやく森を抜けた。
「ようやく抜けたーー!」
「お疲れ様ノコ!」「赤茄子様頑張ったノコ!」「ナイスファイトノコ!」
タケノコ達が次々に声を掛けてくれた。
「赤茄子様お疲れノコ!ここがラダサフワ村ノコ。僕は村長に会ってくるノコ。皆赤茄子様のこと頼むノコ!」
「「「「「「ノコ―――――!」」」」」」」
ノコッチがそう言って、村長に挨拶しに行った。
「赤茄子様!ノコは美味しいお店知っているノコ!ついてくるノコ~。」
見送った後に、ノコスケそう言って歩きだそうとする。
「待つノコ!赤茄子様は疲れているノコ!ここは俺の知っている癒しスポットに行くノコ!」
「違うノコ!赤茄子様は喉が渇いているノコ!ワタシおすすめのドリンクを飲みに行くノコ!」
「全然だめノコ!疲れた時には甘いものに決まっているノコ!オラの行きつけのアイスクリームを食べに行くノコ!」
「何言っているノコ!」「ここはあそこノコ!」「何にもわかっていないノコ!」
どこに私を連れていくかで喧嘩が始まってしまった。
しょうがない。
「みんな落ち着いて!順番に全部行くから!初めにノコスケ連れて言って!」
「ノコ!任せるノコ!」
本音を言うならどこかでゆっくり休みたいのだけど、彼らにはここまで連れてきてもらった恩があるから順番に付き合うことにした。ひとまずはお腹がすいているのでノコスケの知っているお店に行く。
ここは村からは外れのところらしく、まだ少し歩くらしい。
少し歩くと大勢の村人達が行き会っているのが見えた。何人かがこちらに気づいた。
「あっ人間がいるトマ!」「初めてみたナス~。」「でかいハク!」
タケノコの国だからタケノコかなと思っていたら全然違かった。出くわしたのはトマト、ナス、ハクサイだった。…おいなんでここにトマトがいるんだ。
辺りを見回すと他にもブロッコリーやニンジンなど色とりどりの野菜がいた。
「結構色々な野菜がいるのね。」
「ここはグレートトマトマキングダムに最も近い村だから貿易拠点にもなっているためノコ。他の村だと2,3種類の野菜しかいないノコ~。」
私のつぶやきを聞いたノコスケが説明をしてくれた。どうやらこの村は商人たちの行ききによってかなり栄えている村なのだそうだ。ただ3方が森で囲まれているため大きく出来ないため街にできないのだとか。
「人間だイモ!」「おだにも見せてくれゴボ!」「どんなやつネギ?」
はっ!いつの間にか野菜がめっちゃ増えている!いろんな種類がいてまるでサラダに埋もれている気分になる。
「お前ら失礼ノコ!!」
ぞろぞろと私に集まってきていた野菜たちに付いてきていたタケノコの1人が叫ぶ。
「この方を誰だと思っているノコ!」
ん?ちょっとまて、ここで私の正体を明かすつもり!?絶対大騒ぎになるわよ!
私はタケノコ達が私の正体を知ったあとのはしゃぎぶりを思い出し青ざめる。
「ちょっとまっt」
「この方は『伝説の赤茄子魔導師』様ノコ!失礼なことしちゃだめノコ!!」
あっ言っちゃった…。
「「「「「「「「「ええええええええええええええ!?」」」」」」」」」」」」」」
「本当トマ!?」「やばいナス~」「サイン欲しいキノ!」「あ、握手をピー!」「すごいネギ!」「赤茄子魔法見せてニク!」
お祭り騒ぎになる野菜たち
「あーーもううるさーい!」
私は騒がしくなる野菜たちに叫んだ。
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