[短編(市場)]ちょっとメタく
「私、全然出番なかったよね」
気の強そうな言葉は、しかししりすぼみ。
「そんなんいいだろ? 名前あってちらっと出ただけと比べたら」
反論するのはクロッス、落ち込んでいるのはベニリア。
「遠征からの岐路、テロの、遠方からの状況確認を報告、加えてリエードのやつと火消しにまわれてるんなら十分じゃねぇか?」
それでもさ、と。
「本編じゃそこが初出なんだよ? 番外編のトレムが王様といちゃついてるを読んでなかったら、誰やねんおまえだよ? そんな扱いなんだよ、私」
それを言ったらトレムもろくに出番はない。だが最後に恋人ことカルを見つけるという大役をもらっているのに、この二人ときたら。
「俺なんて、初めに余ってる遺産をリエードのやつにやったら、お役御免だぜ? ちらっと出ただけ。ビルドルの絡んだガキたちも、2話まるまるもらってるってのによぉ」
はい、正直出番なかった。というよりかは遺産にまつわるあれこれを掘り下げていなかったことが原因であるし、研究班の組織とか主張とか考えてなかったしなぁ。
「はぁーー、別衣装で仕事があるって聞いたけど、出番がどれだけあるんだろ。給料出んのかなぁ」
まじかよ、とクロッスが目を丸くするものの、ベニリアは、別人物としての出番だけど、と付け加える。
「だから、世界樹の市場での出番は、終わりってことよね。はぁーー」
嘴からのため息は止まらない。
そして、男もまた、長く大きく、ため息をつく。
ごめん、今思いだしたんよ。出番なかったよなぁって。
◆◆◆◆
世界樹の市場での、この二人。出番がないのに名前をつけてしまったクロッスのおっちゃん。多分、遠征の時に同行してると思う。
ベニリアはこの度、というか大分前からシール君たちと同行したりすることに決めましたが、おっちゃんがどうにも不憫。不憫でない??
メインメンバでないにしろ思い出してあげてもよかったのでは……もうすぐ数年、今さらですけども。
よくある全員が顔見知りの楽屋裏のノリですが、他になにか書けることあるかなー。ほんま今更ですけどもね。
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