[ネタ]“あなた”には関係ない
誰かが語ったか、騙ったか、それを信じ込み世界がそうねじ曲がるのか。それを人は、科学的に証明できない、と言う。
「あなたには関係ないでしょ」
そう、呪いを盲信し、事実、それは肉体を蝕む。不治の病か、はたまた思い込むという人間の長所が己を蝕む癌へと変わり果てたのか。
それが例え、被害者当人から始まったものではなく、子々孫々まで、引き継がれるものとしても、だ。
「あなたには関係ないじゃないか」
そうすると、啓蒙しようと口を出す者が現れる。それはあなたがしたことではない。だから贖罪のために病を受け入れる道理なんてないのだ、と。
病からあるはずだったものを取り返す、超常的な力もなく、呪いを弾くだけの方法も知らず。
あなたには関係ないから、受ける必要はない。それが個人の意思でどうにかなるものならば、きっと、もう解決しているのだろう。それでもそう口にせざるを得ないのは、物語に存在する不条理に、抵抗の意思を魅せることのできる、簡単な手段であるからだろう。
そんなのおかしい。それだけで不条理であることをアピールすることができる。だが、そこに解決方法などは存在しない。
「あなたには関係ないでしょ」
いくら訴えても、これは変わらない事実なのである。解決することができないから、受け入れている。ここにもし超常的な力が介入するというのならば、あなたはすなわち、ヒーローになれる。
とても安直な簡単な話である。だが考えてみてほしい。
“あなた”には関係ない。
この言葉は、なぜそう語らせるに至ったのか。一族の呪いにしても、何にしても、なぜそういう結論にいたったのか。
“あなた”はまだ知らないからそう言えるのではないか? 考えてみてほしい。
◆◆◆◆
よくある祖先から引き継いでいる呪いとかそういうの、お前は関係がないと掃き捨てることができるなら、物語で出てくる理由にはならないでしょう。
なぜここまで続いているのか? どうして解決できないのか? ここまで踏み込んでこそ物語として成立するのだと思います。
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