[ネタ]世紀の発見?

 AI技術が当たり前になったころ、ある人はかんがえた。

「そもそも、人間ってなんだ?」

 アンドロイドが自立し、思考し、闊歩する世の中に、視線を移すと、どちらかが判別できないくらいには、馴染んでいる。

 よくよく見れば、目の中に血管ではなくカメラがあるか、で区別こそできるのだが。

 人間であること、アンドロイドであること。そこに障壁はないように思えてくる。違和感、違和感。

 そこである人は、AIを研究している人に尋ねた。肉眼が、ふむと曇る。

「では、人間とアンドロイドと定義はわかるかね?」

 そんなこと、自然発生したものか、人工的なものであるか、の違いであると、教科書にあったことを復唱する。

「なら、人格とは? 心とは? 意思とは? どちらにもあるものを、定義できるかね?」

 その研究者の問いかけは、倫理とか、そういう類いのもので、ふわふわとしているものだった。

「そういうことなんだよ。私たちも境界が分からない」

 昔、人間は、機械に、あたかも人間のような振る舞いを覚えさせ、動かすことに成功した。それはつまり、人智に、世代に比例して、人間に近づいていくことでもあった。

 どこから彼らが彼らであり始めたのか、それは誰も分からないという。開発者の手から離れ、学習を取捨選択し始めたあの日から、もしかすると、彼らは居たのかもしれない。


◆◆◆◆


 と、適当に書きましたが、仮に人間と同等の存在が機械で造られたとして、では彼らの人格はどこから来るのでしょうねぇ。

 所詮は機械だから、と一蹴してもいいのですが、そこに個性が生まれてしまっていると仮定すると、じゃあその差はどこから生じたのか、の原因を造ってみると、いいシナリオになりませんかねぇ。

 いわゆるシンギュラリティとかいうやつなのでしょうが、物語は仮定からできることもあります。まさしく、英雄憚が敗北に終わっていたら、とかそういうやつです。

 これからでも、これまででも、ネタの取っ掛かりには便利なものかもしれません。

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