[日記]特になにもないので

 甘味を刺激すると幸せになれる。

 それは甘味が世に出回っていることから明白なのだが、では考えてみてほしい。そこから甘味要素を抜いたらどんな味になるのだろうか?

 もちろん、甘いのが苦手、という人は知っていることだろう。その人たちの感じる、甘味のない世界を。


 と、大層なことを言ったようだが、簡単な話、自動販売機に砂糖やミルクを調節できるものがあるだろう。普段から飲んでいるそこのあなた、ここで砂糖なし、を選んで飲んでみてほしい。

 きっとミルクだけの甘味、どころか苦味すら強く感じるのではないだろうか? 申し訳ない。何もできないが、申し訳ない。

 しかし考えてみてほしい。あなたが好き好んで選んでいた甘味は、オールシュガーだったわけだ。記憶にある至福と、今回口にしたノンシュガーを比べて、どれだけのギャップがあるだろうか?

 3gのスティックシュガーでは到底埋めることのできない甘味がそこにはないだろうか? いくら入っているのだろう、と首をかしげたくならないだろうか?

 糖質の摂りすぎ、なんてことは日常茶飯事だが、どうしてそうなるのか、というのはこんなところに潜んでいるものだ。

 各種味覚も同様、たまには無、というのはいきすぎだが、欠落した味というものを味わってみるのもいかがだろうか?

 苦味だけのコーヒーというのもまた、味わい深いものであるからして。

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