[ネタ]悪魔は囁く、天使は怒る
口が寂しい。そんな一時がある。
そもそも、この思いから冷蔵庫を、菓子箱を開くのは、この贅に溢れたご時世だからこそできることなのだろう。
ガサゴソ漁った結果、個包装クッキーとスルメが見つかる。だが今は深夜も深夜、まもなく日付も変わる頃だ。
太る。絶対に増える。
分かっている。だが口は何かを欲していて、腹はそうでもない。金魚のように水面をパクパクしたい衝動に駆られながら、袋の開封の儀に挑む。
一日、不摂生したからって大丈夫だよ。明後日は仕事だし、平気平気。あけちまいな。
足りない気がするのは塩分で。
開けてはいけません。今、あなたが欲しいのは、本当に欲しいのは、なんですか? 口の寂しさを紛らわせるための食べ物? いいえ、明日のために寝ることです。つうか寝ろよ、何時だと思っているのですか。
いや、今晩中にやらないといけないことがあるんだって、天使……!
そう、意を決して、ギザギザに力を込める。愚かな。そんな言葉も聞こえてきたが、やむを得ない。
……でも、ゲソ二本で我慢はしておこう。うん。
◆◆◆◆
天使は諭す、の方がパターンは多いですけどね。
さて、悪魔はそそのかして、天使は諭す対立項ってよくありますけど、なんで天使なんですかね? 悪魔の対義語は神では? 語呂と親密さの問題でしょうか。
で、この対立は倫理的なものが多いですよね。個人の欲望か社会的な地位か。所詮は個人の内側の些細な葛藤なので、そんな大きく揺らいだりすることはありませんけどね。あ、犯罪は別ですよ? 社会的な地位を失いますよ?
この二人はどこから来て、消えていくのか。考えてみると面白いかもしれませんね。
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