[ネタ]追放するん?

 パーティからの除名を告げられたのは、今日の会議のことである。

 その理由を聞いてみたら、それは怒りを覚えると同時に、リーダーに言うべきものではないと、納得する。

 種族の関係性の悪化だ。

 かくいうエルフである私は、閉鎖的な、排他的な里を飛び出してうまくやってやろうと、ここに腰を据えていた。だがその故郷か、あるいはここが何をしでかしたのかは分からないが、パーティどころか、国に居座ることすら難しくなるらしい。

 心遣い、痛み入る。

 強制的に除名される。故に後のことは気にする必要はない。でも、名残惜しさはあるもので、ある日の帰りのキャンプを思い出したりする。

 気を遣ってくれて、肉を避けたスープとか、腐りやすい果物とかをわざわざ用意してくれて、その補充も計画してくれていて。

 楽しかった。問題は、そこから離れて、また別の場所にいなければならないということと、それは故郷では決してない、ということである。

 気心知れた彼らに餞別の言葉を送り、夜な夜な、エルフを敵視し始めた国から脱出する。たしか、最寄りの村は……。


◆◆◆◆


 追放、というか除名処分って、こんな感じでしょう。いきなり役に立たっていないと、役に立っていることを並べられても……という印象です。

 というか、そんなことで除名するなら、そもそも、うまく付き合えていないってことですよね。お互いがお互いを利用している関係だとしても、ならばその利用価値を理解していないといけませんし、利用価値がなくなったなら、後腐れなく別れることはできるのでは?


 あと除名した側も、そのあとのことも考えておかないといけないよねっていう。

 戦力を初めとした頭数が減っているし、新しく加えたとしてもそのメンバに一から、役割とか全てを教えないといけないし、除名した人によって埋まっていた穴は完全には防げないものですし。

 それなら理由をどうこうつけるよりも、単純に報酬の分け前が増えるからって理由で放置するとかした方が、外道らしくていいのではないのでしょうか? 単純な個人の恨みよりも、倫理的な恨みを募らせることができると思うのですけれども。


 私が書くなら、追放ものはもっと権力によるものにしますかねぇ。没落はイメージしづらいですけど、少なくとも主人公が好き勝手あばれる方が問題な気がしますけれどねぇ。

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