[ネタ]等身大に成長する

「かれこれ、何年か経つわけだけどさ」

「うん、何年って何から数えて?」

 スープとその他しか並ばない、いつもの食卓。

「スープばっかで飽きないの、ラクリは」

 もちろん彼の主食である生肉もでんと置かれていて、まぁ、変化がないこと以外はいつもの通りである。

「これでも、色々な味で作ってるのよ? 今日のは野菜調味料で、昨日のはトマト」

 分かるかよ、と懲りずに用意されているそれを一瞥しつつも、舌先さえもつけないリエード。

「ちーび」

 スープをあおる間際に放たれた短い悪口に、そっちもだろ、と彼もまた食らいつく。

「ジーダを見たとき、びっくりしたよ。男女で体格が違うにしても、ラクリはちっさい。ジーダも言ってたし」

「あいつは特別、でかいのよ。戦いに恵まれたやつっていうの? 鬱陶しいったらないわ」

 互いに悪口を、のらりくらりと受け答えしているうちに、食卓は一食分のスープを残すばかりとなった。もちろん、リエードは見向きもしない。

「あんたって、熱いの苦手だったりする?」

 満腹に眠気を覚えたか、閉じかけている目の彼に尋ねるも、そうでもないよ、と寝床へと這っていく。

「……片付けねぇ」

 のそりと立ち上がった彼女は、食卓をきれいにしていく。これは当番制であることも、ずっと変わっていない。

 やることを終えると、ラクリもまた自室へと戻った。


◆◆◆◆


 続編とかでキャラの成長した姿を見ると、あいつだってなりますよね。もとの作品から、どんな変化があって、何をしているのか? そんなシーンがあるわけでもサービスシーンなわけですよ。


 しかし、こういうのってどうして、親心って言うんですかね、愛おしいというかそんな心持ちになるんでしょうか。

 過去語りとは違う、一区切りついて成長したその先を垣間見れる、というのが大事なのでしょうか。

 そう考えると、一区切り、が存在しないような最近の作品では、こういったものは作りづらいのでしょうか。一つの陰謀を潰したぜ、で終わってしまうようなら、その先にある彼らの未来はどんなものになっているのか、あまり想像はつきませんよね。

 あと、続編における過去の出来事が、どんな影響を与えてしまったのか、も用意する必要もありますよね。

 市場でも何か用意してみてもいいけどなぁ……。

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