[ネタ]外からの情報

 都会の喧騒とは程遠いこの場所で、のんびりとした時間に起き上がって、窓を開く。カーテンのないこの窓からは、開け放つ前から眩しいくらいに差し込んではいるのだが、ふわりと籠っていた熱が逃げ出して、心なしか過ごしやすさを覚える。

 と、ちょうど鼻が反応する。外から焦げ臭い匂いがやってくるなんてことはしょっちゅうだが、今日は違った。

 油だ。惣菜販売所で感じる、あのむっとする、べたっとする匂い。

 なぜ? バーベキューをするような場所はここらにはないし、ここまでたどり着くことなど考えられない。もしかすると勘違いなのかもしれない。目視に特化した人類は、鼻による情報は、あまりに頼りない。

 だが、そんなものでも感じることのできる匂い。霧散することなく届き続けるそれは、錯覚でないことをようやく自覚させてくる。

 近所で日替わりメニューでも出しているのだろうか? これは、外にでざるを得ないだろう。

 そうそうに窓を閉めて、服を着替える。そして鞄をひっつかんで、外へと踏み出した。


◆◆◆◆


 いや、だって食用油の匂いがしたんですもの。揚げ物してるとこの換気扇から漂ってくるあれが。少なくとも自動車とかのマシンオイルではありませんでしたね(嗅いだことないんてすけど)


 さて、外から流れてくる情報から始まるあれこれって何があるでしょうか。

 火災? 近隣住民の叫び声? はたまた雨の音?

 なかなか活かしづらい情報ではありますね。叫び声から事件という流れはあるでしょうけれど、その他はこれといったものを与えてくれませんからね……。

 何か、あっと思えるようなものに繋げることはできないでしょうか……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る