[短編(市場)]宴に習わしはいらない
すっと差し出された紙にはでかでかと、宴、という文字が書かれており、よくよく見れば細かな文字がびっしりと書かれている。
正確には、世界樹の宴、と書かれており、その詳細や日程がなべて記されているだけだ。
「で、またやるわけね、これ」
それを持ってきた、もとい持ってこさせられた当人は、またやるの、と引き裂いた肉を飲み込んだ。
「でも、今回はチームで、だって。しかも七人ってなによ。前回のやつでも参加者はたったの、王様含めて五人だったのに」
そんな集まるの、と目を細める赤だったが、青は窓口は広そうだよ、と参加要項の隅っこを示す。
いわく、今回は身分問わず7人1チームを成せばよいとのこと。うち6人は2人1組となり、余った一人は補欠、あるいはチーム指揮をする、とのこと。
「参加しようにも、難しそうねぇ。盛り上げたいんだろうけど、そこまで戦えるやつがいるのかって……」
探せばいくらでもいるだろう手練れの耳に、果たしてこれは届くのだろうか? 宴を前に浮かれている人々は、あちこちで作戦会議中だ。
「かもねぇ。僕だって痛いの嫌だし、怪我をしてもいいことないしさ」
だが報酬は魅力的だ。
願いを叶えてくれると云われている、世界樹がつける、実をひとつ。果たしてその報酬はチームメイト全員に与えられるものなのかは分からないが、少なくとも、大会としては申し分ないものだ。
「まぁ、集まれば参加することにしようかしら。そうそう集まらないだろうけれど」
それがいいよ、と青は今の食事を終える。
◆◆◆◆
ゲームのネタはいつでも思い浮かびます。
ギルたちのシミュレーションゲームの前に、これを作ろうかなー?
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