[短編(市場)]消耗品、いつまで使う?

 世界樹いただく市場の一角、そう広くもない公園の片隅にて、丸くなっているのは一人の山飛竜。首を軽くもたげ、時折瞳を動かして、誰かを待っているかのようだった。

 と、もう一人、飛来する影が着地した。同じ種らしい彼は、こんなとこで何してるんだ、と尋ねる。

「待ち合わせだよ。トレムこそ、お仕事は?」

 帰ってきたところだよ、と彼もまた同様に丸くなる。

 ちょうどそのとき、そこにはいない者の名が彼女の口から呼ばれる。そちらをトレムが見やれば、見慣れた、しかしいつもと違う姿をした者がいる。

「あれ、いつもと違う服?」

 誰が見ても気づくだろう違いに、彼女は興味津々だ。対してトレムは、最近はあんなんだよ、と見慣れていることを暗に伝える。

「あんたまでいるの、トレム。女の話を聞きたいってわけ?」

 近づいてきた紅竜は、いかにもいやそうな表情を浮かべるが、興味ないよ、と唯一の男は立ち上がり、助走をつけて飛び立った。

 世界樹の根本に落ちていく飛竜の姿を追いながら、尻尾を揺らした飛竜。だが赤い視線とかち合えば、

「ねぇねぇ、なんでその服にしたの?」

 とまじまじと観察を始めるのだった。


 テロが過去のことになりつつある今、ようやく帰ってきた紅との会話は、いつもの通りだった。


◆◆◆◆


 服は消耗品です。きっちりと折を見て替えましょう。


 ということで、消耗品っていっぱいありますよね。リアルでも。どういうタイミングで交換しますか?

 私は見るに耐えなくなったタイミングとか、穴が空いたとき、とかでしょうか。そこまで身に付けたり使い続けるというのも、大概なような気はしますけれども。


 日常ものでない限り、1キャラの服って大抵同じものですよね。交換するタイミングとか、考えてみると慣習とかが見えてきて面白いかもしれません。

 洗濯が大変だから、肌着だけ交換とか。完全に使えなくなるまでは使うべき、だとか。

 まぁ、気にしすぎて話が進まなくなるのはもっての他だと思いますけれども。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る