[短編(オリ)]師弟を別つ

※流血表現あり


 よう。むっとする臭気の中で、ずいぶんと軽い言葉が発せられる。

「久しぶりじゃの。わしの声、聞きに来たんか?」

 それは、蛇。およそ森に潜み、鼠を食らうようなものではない。まさしく、人の体格と変わらぬもので、だがその脚はなく、袖口からは肉ではなく、金属質ものが覗いている。だが、頭はまさしくそれそのもの。

 その足元には多くの人がこと切れており、蛇の握る刀からは鮮血が滴り落ちる。

「およそ、人間のものではないおまえを、師匠とは呼べない」

 ザッザッという音が次第に大きく鳴る。腕を持つ大蛇の背後からそれは聞こえてきており、そちらもまた、抜き身の刀を携えている。

「さみしいのぅ。センセイ、ともう一度、呼んではくれんか?」

 無表情は楽しそうに、ちろちろと青い舌を伸ばして、ひっこめる。

「馬鹿な。我らの隊を潰しておいて、それを言うのか?」

 そうじゃな。蛇はぐるりと横を向き、相手を見据える。若い、とは言い切れない青年が、無機質な瞳を睨みつけている。

「わしの故郷では、蛇というのは、神の使いでな? もしかすると、わしが、神子であるべき存在だったのかもしれんな?」

 さて、と肩を回す大蛇からは、ギシギシと音が鳴る。

「すまんな、わしら、この先の施設に用があってな。貴様らが邪魔じゃった」

 青年の背後には、多くの、銃や剣を構える者たち。

「ぬしらも、邪魔じゃのう。せめて、弔いだけはしてやろう、愛弟子よ」

 青年が掛け声をあげる。

 やつを殺せ。我が師を騙る、不届き者だ。


◆◆◆◆


 物語で、道を別つ師弟関係といえば、どちらかが邪道を通り、もう片方が正道(主人公側)がそれを殴ってでも正す、という流れが定番ですよね。


 で、以前からちらほらと出しているカガチさん、強い人……ひと? 人外なんですよね。で、後天的な。なら弟子がいて、どちらが悪いとも言えない対立を書いてみるのもいいかもしれませんよね。どちらも邪道ではなく、正道に立っていることは事実ですが、自身は相手の道には、絶対に立てないという対立です。

 うーん、書きたい。書きたい。はやくhEXstePLORERを完成させねばー。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る