[日記]かじかむがふさわしい
起きる。
ピュウピュウと吹いていた風はすっかりおとなしくなり、いつもの明るさが、窓から入り込んでいる。
ぐっと身体を伸ばして、足をぐるぐるとまわして腱を柔らかくする。すると脚にも血が通った気がして、同じことを手首でも。
あとは身体だけだ、と腹に力を込めると、するりと滑り込んでくる、ひやりとした冷たい空気。
やめてやめて、と被っていた布団を掴んで背中にまわす。布団の達磨になって、一時の安心に身を委ねる。
そう、時計を見てみる。そこでは予定時刻まで一時間を切っていることを示している三兄弟が傾いている。不動の三男、マイペースな長男、そして痩せつつもせわしない次男だ。
安寧は、いつだって長くは続かないものだ。
どうにか温もりの魔窟から抜け出して、いざ。朝食を用意して、さっさとコーヒーをいただいて、その他日課を片付けて、玄関へ。
扉を開くと、きんとする、澄んだ、と言っていいのか分からない空気が侵略を開始する。靴という外皮を無視して、爪先から、足首まであっという間に撫でてしまうと、凍ってしまったかのような錯覚は、一瞬で指先に到達する。
だが立ち止まるわけにもいかず、腿と二の腕に指示を出して脱出するも、そこにあるのもやはり凍てつく空気だ。
ゆっくりと肺に空気を吸い込めば、一瞬の油断で身体が冷えていく。ついでに喉も渇いていく。
これはいかんと思いつつ、自転車から昨晩の暴風対策を外して走り出す。身を切る朝の空気に手をポケットに忍ばせながら、滑走する他ない。
冷たいような、痛いような。
交互に手を隠しながら、ようやく目的地。
さぁ、ようやく今日の始まりだ。久しぶりに官能短編小説でも書こうかと、ふと思う。
◆◆◆◆
昨晩の暴風から、一気に寒気が流れ込みましたね。
いやー、毎年思うのですが、手にクるようになると冬って感じがしますね。ただし手袋はありません(ワンシーズンで無くしてしまうんですもの……)。
もしかするともうインフルシーズンも目の前かもしれません。感染症はどのみち対策は必須ですが、体調管理はしっかりとしましょうね。
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