[ネタ]漬け物は、好きですか?

 塩と水の比重というか浸透圧とか、そんなものでできあがるもの、それが漬け物。私は大根のやつが好きです。特に黄色いタイプのやつ。甘味があって美味しいんですよね。


 野菜を始め、肉や魚介類を漬けても、食べ合わせが悪くない限りはおいしくなるそれですが、もとは生活の知恵によるものなんですよね。

 漬けることで痛みにくくして、冬などを越すための備蓄の1つです。地域によっては胡椒などの香辛料を用いることで保存をしていたのだとか。

 塩が採れるところでは塩漬け、一方で採れないところでは調味目的ではなく、香辛料で保存することで保存食を用意していたらしいですね。


 さて、それを考えると異世界ものを書こうと考えたときに、冬を越すために漬けて保存食を用意しておく、なんていう文化はありそうですが、その前に魔法なんてものがあるとどうなるのでしょう?

 保存は効くが塩辛くなってしまう一方で、魔法を使えば凍らせて鮮度をキープ!

 人がいるなら後者をとる人が続出しそうですよね。冷凍係、なんていうことで安定した職業になりそうです。現役を引退した魔術師の就職先になることでしょう。なので氷結魔法は商人に引っ張りだこ!

 では漬け物はなくなるか、と言われれば塩とかの価格によって存在するかどうかが別れてくるかと思いますが、なくなりはしないでしょう。

 例えば、魔法冷凍が主流になれば塩の需要は下がるうえに、その味を好む存在は一定数いて、かつ調味料として使用できるのですから、生産需要がゼロになることは考えにくい。

 加えて漬けることは氷結状態を維持しなくていいので輸送コストが低くなり、味つけと保存が一気にできて、安売りできる。

 そうなると、どっちが優れてるか、を考えるものではありませんね。少なくとも冷凍魔法使い、頑張れ、といった感じでしょうか。


 また、漬け物は食事の席でどのような立場になるのでしょうか? 日本では口直しの意味合いが強いようですが……。

 塩や香辛料が貴重なら高級品、ありふれたものなら平民の口にする貧乏食、誰も知らない珍味であるならば一部の組織に流れる通貨とも。

 食と共に文化というのは変遷するものです。設定の一つ一つに、こういう歴史があって、なんてことを考えてみると面白いですよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る