[短編(市場)]のらりくらりと4

 その日、彼はベッドに座っていた。

 ギリギリと露出した牙を鳴らして、悪い人相は一人を除いて誰も寄せ付けない。その視線も、一段と不機嫌を醸し出していて、じっと正面の鏡を睨み付けている。

 というのも、彼の腕には治療の痕があるのである。

 右前腕を包帯で分厚く巻かれ、伸ばされた腿の上に乗せられている。

 コツコツ、と部屋の扉が叩かれた。許可をぴしゃりと出せば、荷物を首に下げた四脚類の竜が顔を出す。器用に尻尾で扉を閉めると、訪問者はするりと彼に近づいて、荷物を差し出した。

 中には、簡単に食事ができるように、と開発された食料が大量に詰まっており、彼の視線は細められる。

「エプル。食欲はあるんだが」

 はて、と首をかしげる竜。ヒュウ、と吐息を鳴らせば、訓練で怪我をしただけだと呟く。

「訓練では、魔法を使わん。おかげでなまくらが腕を貫通してしまった。」

 そんなことがありえるのだろうか、と反対方向に首を傾け直す竜へ、しっかりとしたものを食べたいのだ、と彼は伝えれば、ふよふよと竜の尻尾は踊る。

「ここまで運べない、と。仕方ない、いただくとしよう」

 荷物から取り出して、包みを破いて、もそもそと彼は味気のない食事を始める。じっと、負傷箇所へと注がれる視線を感じながら。


◆◆◆◆


 グレイズ様が怪我をする。それは珍しいシーンだと思います。とはいっても、本編ではフェリ、グレイズ、ギルは怪我はしてませんけどね。他は首を跳ねられたりしてますし。

 彼の場合、のんびりしているシーンが思い付かなくてですね。あるとすればどこかで休暇をとっているか、ですが、それは夏企画で書きましたし。


 さて、最後の祝日が終わり、いよいよ寒さが本番になってきましたね。冬支度は万全でしょうか。私は洗濯物がマシマシになってきて、乾燥機がききにくいなぁ、と口をへの字に曲げているところです。

 今年は、インフルエンザはどうなるんでしょうね。去年一昨年と対策がなされていたので流行ることはありませんでしたが、ワクチンの接種による油断がなくはない、と私は考えております。

 二週間前、久しぶりに熱を出してしまいましたからね……長引かなくてよかったですが、いつなんどきも、体調不良だけは引きたくないですね。

 さて、しまりも悪いですが、こんなところにしましょうか。つれづれぇー。

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