[ネタ]人間味
人間味溢れる登場人物が堪りませんね。
そんな感想をもらったとき、あなたはどう返信をしようと考えるだろうか?
まずは、シンプルに「ありがとうございます」だろうか。そこから、意図的にどう表現したかを書いたりするのだろうか? おそらく、私はそうすることだろう。
では、人間味、とはなんだろうか? にんげんあじ、ではなく、にんげんみ。ここでは、人間味溢れる書き方を論じるつもりはない。ただ、人間味とはなんだろう、を書いていく。
おそらくは、まるで実在の人間のやりとりを見れたときに抱く感想だろう。醜悪さがあり、きらびやかな部分があり、葛藤があり、感情豊かであり……文字の羅列であるというのに、不思議と彼らの表情が浮かんだりするときに、そのような感想が浮かんでくることだろう。
そして、あなたが、わたしが書いたものは人間味を感じられるものだろうか?
おそらくは、世の中に溢れる大半の物語は、そんなものはない。読み進めているうちのワンシーンだけでも人間味を失うと、虚像は壊れてしまう。フィクションであるな、と心のどこかで感じてしまって、醒めてしまって、フィクションの彼らが登場人物ではなく、キャラクターであると気づいてしまい、以降は作品を彩っていくキャラクターを見つめる娯楽になってしまうことだろう。
それ自体は悪いことではないだろう。娯楽一色の物語なんて世の中に溢れているのだから、一つのジャンルとして存在しているのだから。ただ、そこに人間味がある、という感想はどうしても消えてしまう。
だが、人間味溢れる物語を書こう、と考えたときに、どうすればそれを崩さずに書ききることができるのだろう? そもそも、人間味ってなんだ?
おそらく、それは時代によって変化する代物であるには違いない。道徳的、感情的に正しいことをしていればよいこともあるし、間違っていたとしても、人間らしくあればそれでよい、という時代もあっただろう。
もしかすると、過去の隠れた作品を漁ると、時代の錯誤があるにも関わらず、それに人間味を感じるかもしれない。つまりは、現代、今を生きている私たちが思う人間像から逸れることがなければ、それは人間味なのであろう。
言葉として定義こそされているが、これであると固定される概念ではないことが分かることだろう。
もし人間味を登場人物に持たせたいのならば、今ある人間像、あるいはこうなるだろう、こうだったろう人間像を描いてから、書き始めるのも一手なのかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます