[日記]問いには問いで返すべからず

 あなたは彼らを可愛そうだと思わないんですか?

 そういった質問が書き込まれた。そこで私は、こう返す。

 ならあなたは、彼らにも人権を持たせるべきだと言うのですか?

 すると、質問はピタリとやんだ。非人道的だと主張するやつの常套句。こちらだってやりたいからやってるわけじゃない。やる必要があるからやってるのだ。

 あるときはこう返した。

 ならあなたが、被験者になってくれるのですか?

 ならあなたが、代わりの被験体を提案してくださるのですか?

 ならあなたが、この試作を飲んでくれるのですか?

 いざ自分がターゲットになると、彼らは怖じ気づく。徒党を組めば組むだけ、こちらとしては実験台が増えてちょうどいい、くらいの思惑なのだが。

 まったく、おまえらの未来の生活を支えているのはこっちなのになぁ。


◆◆◆◆


 ※フィクションです

 質問に質問を返すってよくあるじゃないですか。あなたならどう思う? と。

 しかしこれは、リアルで使っていい場面と使ってはいけない場面があるんじゃないかなー、と思った次第です。


 例えば、いい場合。感情論でお互いに口論しているときです。質問で返すことで、相手に自分と同じ思考を促す、ということで効果的です。もちろん個人によって思想が異なるので、必ずしも同じ答えに至る、とは限りませんけどね。


 一方で、具体的な方法や論理的な手段について尋ねるとき、質問で返すと話が拗れます。例えば、ある文章問題において、こういうことですか、と尋ねたとき、私は何を考えてこれを書いたと思う?、と答えられたらどうでしょう?

 自分は問題を読んで、解釈したことの確認をしたいのに、相手は遠回しに答えを言わず、しかも間違っているかも、と言っているのです。

 すると質問した側は、目を見開いて文章をもう一度読みます。意図なんて情報が本当に載っているのかも分からないのに。


 もっと現実的な話をしましょう。

 技術的にうまくいっていないことがありました。そこで何がうまくいっていないか、をできる限り分析してその内容を、サポートセンターにメールで問い合わせました。

 返ってきたメールを見ると、いきなり尋ねた内容とは関係のないような質問が来ているではないですか。分からないなりに分析した(=理解した)ことなど突っぱねて、逆にどういう状況なのか尋ねてくる。

 分からないことをリストアップしたというのに、それに答えないどころか分からないことを増やしてくる。

 どうでしょう。よく理解してないことに対して尋ねてくる内容に、癖癖とするかと思いますが、実際にあるんですよね。


 もし質問し返すならば、原因が特定できないため、質問は一度置いておいて何が起こっているのか、を教えてください、だとか。あるいは、質問ひとつひとつに歩調を合わせてもらわないと、問い合わせをした側も混乱するばかりになってしまいます。


 仕事などをしていて、ほとんどが論理的な質問のやりとりをすることが多いかと思われます。

 もし回答に質問をのせているならば、今一度、確認してみてくださいませ。

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