[創作論]魅せるってなんだろう?
魅力的なキャラクター。
一口にそういったとして、どうすれば彼らをそう昇華させることができるのだろうか?
例えば無双力を持っていればいいのか? 欲に素直なやつならいいのか? それとも外見に読者のニーズが反映されていればそれでいいのか?
いずれも、魅力的か、と言われれば、取り上げるくらいだ、もちろん私はそれを魅力には感じない。裏があって、表があって、秘密があって、大事にしているものがあって、何に心を燃やしているのかもあって。
そういったすべての要素が、読者に共感を得ることができて、初めて魅力だと言えるのではないだろうか?
では文字で魅せるにはどうしたらいいだろう?
キャラの生い立ちを0歳から追っていけばいいのか? そんなはずはない。読み手が疲れるばかりだ。キャラを怒らせればいいのか? そのきっかけとなったイベントにもよるだろう。優しければどうだろう? 魅力というには、少しなにかが足りない。
そう、具体的に挙げるのは難しい。読者が何に魅力を感じるかは彼ら次第だが、魅せるのは筆者だ。物語の中の数々のイベントを、文字という二次元で四次元に拡張してやらねばならない。
強いて言うなら、一番簡単なのは自己投影させることなのだろうか? 主人公は強くて、優しくて、誰からも好かれる。だがそれは設定であって、これを示すには行動が必要だ。
一挙手一投足が、一言一句が、主人公でないとできないものでなければならない。投影済みのそれは自分自身なので、それに魅了された他の人物たちは、自身に魅了されていると同義に感じて、自身にないものを持つ主人公に魅力を見いだすのだ。
魅力的に感じるのは、読者。魅せるのは、執筆者。なかなか的を射ているのではないだろうか?
しかしこれは三人称でやるとなるとかなり難しい。特に自己投影なんて微塵も考えていない私にとっては、彼らが彼ら足り得る行動を書き連ねるしかないからだ。
言い方を変えると、自己投影させずに個々を魅せようとする技能だが、これに魅了される読者はそうそういないのだ。読者の私は、自己投影をしないので難しい話ではあるが。
人というのは一人称で物事を見る。俯瞰的に物事を見るべしなど言われることも多いが、果たしてそれは生かされているのだろうか?
もっとも、一人称というのは、楽だ。自身が自身たればいい。我慢せず、気楽でありたい。そう思うからこそチーレムなんて呼ばれる物語に魅力を感じている者がいるのだろうか?
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