[短編(オリ)]Pワールド/C2

 住民端末の違法改造。

 それはここ数年、顕著に数を伸ばしている。

 一定の年齢に達すると、一人一台ずつ支給される。ここには、その日に支給される食料のカードやら、個人情報、生活に関する情報まで事細かに記されている。

 これを改造するメリットは何か、と言えばカード発行権利の停止の嫌がらせや、個人情報の収集なんてものがある。しかしそれらはまだかわいい方であり、人によっては銃火器の使用・製造権利の偽装発行なんてものをするやつもいる。

 セキュリティのいたちごっこが始まってもう何年になるかはわからない。だがそういったものはしっかりと検挙しなければ。


 そうして訪れたのは、アパートの一室。インターホンを鳴らせば、がらがらとした女性の声。事前に調べていた注文の配達だと偽って、待つ。

 扉が開くと、そこにはレッドリザードがいる。まだ眠そうな、油断ばかりの眼に向けて、身分証をつきつける。

「あ、警察? 何かしら。なんもしてないんだけど」

 慌てる様子もなくハッとしたらしい彼女は、シラを通すつもりなのだろうか。緊張の欠片もない。

「しかも、個人端末セキュリティ科? ……もしかして、私のやつがハッキングされたから、見に来てくれたの?」

 人科ではないというのに、一丁前に着ている上着から取り出した端末を差し出してくる。

「私の、魔科学資格のID、盗られたの。調査してくれる?」

 深紅の無機質な瞳は、気だるそうにこちらを見つめていた。


◆◆◆◆


 以前も同タイトルで掲載しましたが、パラレルワールドである、カードによる管理社会のラクリさんでした。


 魔科学というのは、市場でいう魔法ですね。カードを使って現象を引き起こして行使する、という曖昧な設定ですが。……この社会では火を起こすだけでも資格が必要になりそうです。

 彼女よりもリエ君の方が悪いことはしてそうですよね。けど銃火器なんてものに興味はないから、悪用はしないけど趣味で作ったコードを盗まれて悪用される、なんてことはありそう。

 こういうのはサイバー系の勉強をして、どんな要素が発生しうるのかをじっくりと考えてみれば、組織とかの存在も一気に作れて楽できますよね。

 これのゲームも作りたいなー

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