[創作論]その刻限まで、あと2日

 5対2500、この数字が何を意味するのか分かるだろうか。ヒントは、執筆、という情報があれば十分だろうと思われる。

 そういうことである。昼間からテキストエディタを開きながらじわじわと書き進めた結果だが、牛歩状態であることは明白である。

 どうにか1話分の展開を進めたあと、ぼんやりと見直す。全体の流れとしてはこれでいいだろうが、どうにもぎくしゃくしている気がする。やっぱり物語を牽引するのは、キャラクターたちなのだろうか。

 それは、事実なのだろう。なんらかの目的を持ったキャラクターが、それに対して何らかの感情を持ち、発生するイベントにアプローチをしかけるか、しかけられる。そして起こった結果を繋げて、繋げて、結果として彼らを奔走させるのだ。

 そこには、すなわち感情というものが存在しなければならない。


 しかし今回の魔王討伐、メインキャラクターたちの感情表現に欠ける部分がある、と気がついた。

 もちろん、いつしか書いたように、今回は物語主導で書き始めたものだ。こういうシチュいいな、と思い始めて、そこに至るまでのイベントを作り、それを回収していく物語。こういうキャラが、こんな生活をしていて、こうして巻き込まれていく、という形式ではない。

 加えて、各キャラクターにはそれぞれの事情を用意しているために、下手に思惑などの情報を文面に乗せることができないのだ。

 例えば正義感の強いキャラクターがいたとしよう。彼を中心に物語が進んだとして、序盤にいきなり彼の人生最大の選択について語らせるだろうか。やっても序盤の終わりから中盤だろうと思われる。

 加えて、主要メンバーしか持ってない情報がそれなりにある。これらは、わりとすぐに開示するつもりではあるが、今のストックにおける彼らの描写に制限をかけてしまっているのだろう。


 感情というのは、表現する方法はいくらでもあるというのに、それに情報制限を一つかけるだけでどうにもなくなってしまう。

 どうして彼がそう思うのか。彼女が何を必死になっているのか。それを示してはいけない。

 さらにさらに、無知の存在は誰もいない。誰かが何かの情報を持っている。それを隠して彼らの表情を豊かにするには、どうすれば……。

 なるほど、無知の強者、という主人公は扱いやすいわけである。傭兵とか、一般市民とか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る