[日記]据えるもの、それはどこからいずるか
どうして私は、この薄い直方体をペタペタと触り、ディスプレイに映る文字を羅列しているのだろうか。あるいは、パソコンを立ち上げて、テキストエディタで彼らの生きる姿を描く。
端的に言えば昔からこれを、ちまちまと楽しんでやってきたからである。
七割方台本状態のものに始まり、頓挫して。ただひたすらにごりおしの展開ながらも書き上げて、ディスクに封印して。これだと思ったものを五年もかけて書き上げて、やり遂げて。そして私という名前を使って、動き始めて。
それらは義務となっていただろうか? いや、のらりくらりと、完成を目標にしてやり続けていたはずだ。
そうして見て、思うこと。
これに目標を課すならば、どのようなものがよいか。そして達成できたかどうか、どう測ればよいか。
PV数が、星が、感想が増えればいいのだろうか。
それとも一時間で一万文字を書けるようになれば。
あるいは、一週間で一章を仕上げればいいのか。
それとも、一年で完結させるのか。
課すのは簡単だ。一言、宣言すればいい。一筆、掲げればいい。しかし、力作だとしても誰も見ようとしないならどうなるか。どうせ誰も、と諦める道が見え始めてしまうことだろう。
そういった掲げた目標からの重圧は、あなたにはあるだろうか?
私は、少し前に作った。しかしどうだろう、これがまた余計な足枷となる。一月でこれくらい、と定めようとも、結局はそうはならない。できても、時間をそれに割くことくらいだ。
考えてみてほしい。
自分の満足のいくものを書けているか。
一話ごしに設定が矛盾してないか。
キャラたちは生きているか。
目標が、彼らをないがしろにしていないか。
もちろん数をこなすことでできることもある。次のもので質を上げていくこともできる。
それでも私は、彼らの生きる姿を、無駄にはしたくない。
あくまで彼らは私ではない。彼らは彼らで、この目標なんてものには縛られていないのだから。
◆◆◆◆
というわけで、執筆において予定ではなく目標を立てて、だめだこりゃとなったラクリさんです。
こう、趣味の一環なのでこうしたいという目標を置こうとしても、小説は文字を打ち込むだけで半分達成してるんですよね。
例えばイラスト制作。今日は下書き、明日は下の色をつけて、来週には仕上げる、といったことができるわけですが、小説はこれが難しい。
文字数が多ければ表現が豊かなわけでもないし、短ければ優れているわけでもない。専門用語を並べれば賢いというのも違う。
せめて、一話を一定のペースで書き上げるくらいの目標にしないと、執筆の目標はブレてしまいます。そして人気者になることを目標にすると、また後悔するはめになる。
そう考えると、趣味には目標なんてものは用意しない方がいいんでしょうかねぇ。際限なく上り詰めるのもよし、ある程度身につけたらよし、程度に。
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