[カクヨム]竜的最終発表

 先日、発表されておりましたね。

 中間発表との違いは編集部様の書いたあらすじとコメントがあることですね。編集部様の視点が何か参考になるかなぁ、と思い読んでいましたが、いずれも私が参考にできそうなものはありませんでしたね……。

 私は要素と要素を組み合わせてドタバタとするハツラツ物語ではなく、その世界で行われているシーンを描きたい派なので、もはや正直ジャンルが違うかなぁ、とつくづく感じました。


 例えば、天地のお話。地上には抉りとられたクレーター、天には大地が浮かぶ世界を旅する、異種族コンビの物語。

 彼らに特殊な能力なんて与えようと思わないし、多少なりの危機を体験してもらいながら、どうにか行き続けて欲しいと思うわけです。

 メンターテイメントとしては違うベクトルなんですよね。

 例えるなら、参加型アクティビティと映画鑑賞ですかね。前者は「役が与えられ、できるという前提のもと」で楽しむもの、後者は「彼らが主役の、描かれた物語」を楽しむもの。私が書くのは後者でありたいと思っています。


 もちろん舞台の設定としてネタがないと展開を広げるのは難しいですから、あくまで世界の常識として、得意不得意程度に特殊な能力は設定します。しかし誰かだけが、主人公だけが特別というのは、あまり書こうとは思えません。

 例えば妖魔では杉嵩だけが妖怪たちを視ることができます。しかしそれは彼菜など過去にもいた存在で、当時は、視れる体質だったのは彼だけだったわけです。刀を使って戦闘していますが、彼は白蛇や餓鬼相手に戦闘を行っていましたので、多少なりの心得を身に付けていたんですね。

 市場だと、ラクリさんが魔結晶の形を変形させる魔法を唯一身に付けていますが、かといってそれが特殊な事例を呼ぶことはありません。グレイズ様並みの魔法能力がなければ、数の前にはどんな魔法もないに等しい世界観なんです。

 なんでもかんでも、勝ちと負けを与えるのは簡単です。しかし私は勝負を描きたいんですね。

 ……ファンタジーというのも長い歴史がありますが、もう少しジャンル分けしてもらえませんかねぇ?


 特に誰もが発信できる時代、作品にジャンルという枠を設けること自体が難しいことなのかもしれません。

 しかし大きくなりすぎたものは、切り分けないと埋もれてしまうものがどんどん増えてしまいます。出版業界は、いや、創作業界は常に寡占市場です。

 書きたいものが描かれ、それを企業側が取捨選択できる時代。ニッチジャンルと分類される前に、同じジャンルでも違うものであるというしきりで、はっきりと分けて欲しいものですね。

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