[創作論]インフラ整備士

 石畳に面した席で、二人の竜が食事を摂っていた。一方は器用に麺を食器で巻き上げる赤色の膝折立脚類、他方は大きな一つの肉塊にかぶりつくサンバイザを被る青い四脚類。

 静かな会話を続ける二人は食事を終えても、しばらくはそこにいた。デザートを注文するわけでもなく、ただ雑談に興じた。

 ふと赤の視線が相手ではなく、入店後から者の増えてきていた道に向けられた。

「なんか、騎士、多くない?」

 普段なら一定の間隔を開け、屋内から外を見下ろし警備をしているはずだが、今日はそれに加えて人混みにまぎれている姿も見える。

「たしかにね。なんか、あったっけ」

 青もまた、はてなと視線を外に向けた。

「ま、あたしたちには関係ないでしょうけどね。それで、この前の話なんだけど……」

 興味の対象をお互いに戻し、彼らはまた口を開き始める。

 彼らの視線の先にいた騎士の一人が、人混みに紛れて呟く。

「そろそろ入れ換えが必要だな」

 コンコンと爪先で石畳を叩くと、隣の騎士がため息をつく。

「また夜更かしかぁ。大変なんだよなぁ」

 多くの行き交う道は、まるで木から型をとったようにゆるやかな曲線を描いていた。


◆◆◆◆


 インフラ整備、お疲れ様です!


 王都とかのインフラってどうやって整備してるんですかね。警備という側面では、軍隊にやらせるのも筋違いな気がしますし、スパイがいれば牙城を崩す切欠を敵に与えてしまう可能性があるんですよね。

 かといって慈善事業なんてできる企業があるわけでもないし……そうなると、やはり国が指示する他なさそうですね?

 ともすれば、彼らは公務員という扱いに。健全といえば健全な形態ですが、材料の備蓄も必要ですし……ここらの知識もあると工作員を潜り込ませるフラグを用意できそうですね。

 例えば、水道管の整備が直近であったが、実は爆弾をしかけている反社会的勢力が紛れていてそこから事件へと発展していくとか。

 城の壁を補修しつつ、実は水をかけるとあっさりと瓦解する素材を使っておくとか。

 イベントを起こす手段は、いくらあっても足りませんからね。なんでもネタにしてしまわないと。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る