[日記・創作論]時は等しくある

 ふと聞き覚えのある名前を耳にして、振り返る。そこには彼や彼女が平たく映し出されている。

ーーこんな顔だったっけ?

 世話しなく動く映像では、ああ、あの人だ、と認識できるのだが、止まってインタビューされているその人は、誰だろう、と思ってしまう。

 目を閉じてみてれば、声も馴染みあるもの。調子も、どれほど取り繕っているのか分からないが、いつもの通り。

 ところが目を開くと、面影こそあるが深くなった、皺。肌も黒ずんでいる気がする。見れば見るほど、それをその人だ、と認識できない。

ーーいずれそうなるとして

 私はどうしているだろうか。今のまま、とありえない幻想を抱くよりも、どう変化していくことに舵を切る方が、よっぽど己のためになることだろう。

 近づく足音を聞き入るより、近づくための足音を立てよう。さぁ、今日はどうしようか。


◆◆◆◆


 某七色の声優さんが映っていて、そう感じました。


 あなたの抱く登場人物たちが老いたとき、彼らはどうしているのでしょうか。のんびり長い時間を寝ているのでしょうか。外で歩き回って、声も大きく雑談に興じるのでしょうか。

 はたまた、孫に世話を焼いていることも、考えられなくはないですね。

 市場の世界では「白の境界」がじわりじわりと世界樹を中心に狭まっています。ペースについては明言されていませんが、考えるのならば、まずは環境がどう変化しているのか、を考える必要がありそうですね。

 妖魔の場合、妖怪である杉嵩は明下の子孫に世話を焼くことでしょう。明下当人は生涯を医療に捧げることかと思いますが(彼は完結後、医師免許を取り開業している設定)。


 死では終わらない結末のいいところですね。彼らが何を思いながら、時間を過ごすのか。

 もしかすると、描いた物語は彼ら彼女らの、生の転機となっているかも、しれませんね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る