[短編(オリ)]欲張りな収集家

 いくつ目か分からない、死んでしまった天球。形を保つ魔法を解けば、もとあった場所、もとい、真下の大穴へと土煙を舞い上げながら流れ落ちる。

 悪趣味なやつに限って、生命の絶えることのない天球を持っている。こちらも負けじと試してみているが、どうにもうまくいかない。

 例えば鳥を天球に入れたとして、それは間もなく死に絶える。子を残したからといって、大方衰弱して死んでしまう。

 大地を天球に入れたとして、そこについてくる樹木は必ず枯れ果てる。種が芽吹くこともなく、虫が死に、土が死に、そこに残るは無機質な天球だ。

 かつての自信作が豊穣な大地へと吸い込まれて、死だけが丸く小山を作っていた。なぜ、土をすくっても死にはしないのに、天球へと閉じ込めると死ぬのだろうか。

 わからないな。あいつらにだけあるもの。作り方が悪いのかと何度も施行しているが、駄目なのだろうか。

 あるいは才能がないのか。それだけは否定したい。誰よりも早く天球を作れたのに、作れないだなんて。

 ひとまず、次の天球を作ろうかな。


◆◆◆◆


 密閉された容器のアクアリウム。もう何年も水を変えていない、生態系のできているアクアリウム。

 これって、なんていうんでしたっけ?


 「穴ぼこだらけの大地で」にて、なぜ、穴ぼこだらけなのか、を説明したいときに、どうしようかなー、となりました。

 誰がしたか、は決めていますが、その動機は個体による。そして戻す方法は? とかとか考えるのですが、市場を進めたいので煮詰められていません。

 で、天球というものがあって、それは宙に浮かんでいる。それは大地にあったもので、何者かが宙に浮かべる魔法を使っている、という暫定設定でした。

 んでもって、水替え不要のアクアリウムがあったのを思い出したんですよね。ネタとして優秀そうな材料です。


 はぁ、魔王討伐も書きたいし、穴ぼこも書きたい。あわよくば穴ぼこは本にしたい……! 時間の足りない世の中、困りますよねぇ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る