[短編(オリ)]記憶タイプ・α

あなたの記憶はどれだけ持つの。

いつまでのことを覚えてるの。

昔の記憶、覚えてることはあるか。


それらを統合して、分類した「記憶タイプ」という言葉が作られて久しい。

例えば、過去のことは概要のように覚えており、あらましを説明できる程度に覚えているのはα。

直近の出来事を事細かに説明できるというなら、β。

記憶をカメラのように絵として覚えるような者はγ。

他にも細かい分類はあるようだが、大半の人はこれのうちのどれかに分類されるらしい。かくいう私はα。

では、記憶力という単語は、というと、昔から意味は変わらない。覚え方と覚えていることは違うのだ。

しかし、なぜこんなものに名前をつけたとだろうか。お偉い学者の考えることはよくわからない。

だって、覚えてることは覚えてるし、忘れるときは忘れる。それは誰にも訪れることで、覚え方と、記憶タイプと関係なんてないんではないだろうか?

そんな疑問は、記憶の掃き溜めに捨てられるのは、数秒後のことだ。


◆◆◆◆


私は記憶力がいい、らしい。

比較対象、比較手段がないために、らしい、としか表現することはできない。

現に、ここにきて二年近くになるが、こちらでやったことの1/3くらいは答えられる自信はあるし、それ以前にやっていたことは覚えてるし、意味不明なことを言い始める上司の発言や、酒酒うるさいことも覚えている。


しかし、正直なところ名前を覚えていないことも多い。というよりも情報のない暗記が苦手なのだ。

つまり、アイドルの名前なんて意識しないと、好きにならないと覚えられないし、キャラクターのイメージに見覚えあっても名前なんて覚えていないことがほとんどだ。

代わりに、一度、印象的に覚えると忘れにくいという特徴があるわけだが、これは他人の場合はどうなのだろう?


覚えるための勉強において「方法」が指南されがちだが、もっと拡大して、記憶タイプなんてものが定義されてしまうのも、遠くない未来のような気がする。

もっとも、記憶というのは曖昧なもの。そして覗けるものでもないし、はっきりとしたものではない。性格と同じようなもの。

明確に分けれるとは、思いませんが。

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