[創作論]物語における性というもの

あなたのことが、好きだ。

そう胸の内をさらけ出したら、あなたはどう答えるだろうか。

困った顔をするのだろうか。それとも眉間にシワを寄せるのか。あるいは俊敏さを備えた豪腕で私の頬を叩くのか。

しがないわたしの望みとしては、とまどいながらも微笑みながらイエスと答えてくれることだ。あるいは、何か条件として示して、了承してくれること。どんな笑みでもいい。

ああ、実行に移してもいないのに胸が高鳴る。

というよりもどうしてそんなことを考えているんだわたしは。

そもそもこれは勝手な妄想であって、気持ちを伝える気も毛頭ないのに。


いや、気があるから、こう考えているのか?


◆◆◆◆


私が専ら書くのはラノベ〜ファンタジー傾向が強いと思っています。その中で恋愛感情関係を描いたことは、暇の七日が初めてでしたね。

彼菜に対して万芽が思いを寄せるものの、怪異である彼女はその魂を食ってしまわねばならないのだと。そして、彼女の肉体と魂切り離したが最後、後戻りできない状態にまでなってしまっていた。という設定でしたが…。


で、七日だと人外(女?)→女性の構図なわけですが、性というよりかは恋愛感情の描写なんですよね。

小説にはもちろん数多のジャンルがあるわけですが、「恋愛感情」という関係を作るためだけに性という設定が存在してないか、ということが気になった次第です。(ハーレムものとかまさしく)

というわけで物語上で出てくる性関係を、思いつくだけ挙げていきましょう。


まず官能小説、あるいはそういった内容を目的としたもの。

これらでは性を目的とした物語が展開されがちと考えられるかと。肉体に備わっている性を目的にしたり葛藤したりと。実際、あまり読んだことはないのですが…。

人間らしさが滲み出ている、と思えるのは生物の本能がテーマだからでしょうかね?


次に親子関係。これは分かりやすいですね。母親と父親と、子。父母が結ばれて子が産まれる。誰にスポットライトを当てるかは置いておくとして、子がいるということに性の役割があると。


で、冒頭に触れた恋愛感情。ヒーローに対するヒロイン、ヒロインに対するヒーロー。

内容密度も様々ですが、この関係が多く見られることでしょう。状況が変化していく中で、相手に対してよく分からない感情が芽生えていく…青春やなぁ…。


ぱっと思いつくのは以上の三点でしょうか。でもいずれも関係性を作るための性なんですよね。使いやすいのは親子、使いたいのは恋愛感情といったところでしょうか。

で、ここまで書いていて気づいたのですが、物語上では、登場人物たちは受動的にも能動的にも動くものです。人物の属性である「性」に役割を持たせるとしたら、関係性しかないのでは…? ついでに言えば性と恋愛感情は切り離すべきだし。

まぁ、恋愛感情も関係の一つか。

仮に関係性以外の要素を取り入れたいとなれば、しきたりとか宗教による文化を示すしかないでしょうか?


むしろ、あくまで登場人物たちの物語にこういう話を持ってくるのは、むしろ野暮というものですかね?

まぁ、トレムとカル様の関係も含め、面白い物語ならば私は満足なんですが。

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