第13話 ムービーは防げない!
めっちゃおまたせしました!!!!!
更新再開します^ ^
以下本編です。どうぞ
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「おお、勇者よ……死んでしまうとは情けない」
こえが……きこえる……
"国を救うべく呼び出された存在が都を出る前にチンピラ如きに殺されてしまうとはなんと如何わしいことか、嘆かわしいと言わんばかりに立て続けにため息をついた人物は、背もたれに体重をかけ天上を仰いだ"
「くそっ……なんだ…これ、、、うご、け…ねえ……ッッッ!!!!!」
なんだ……ん?
"ここは王城 ライトハイベルン。絢爛豪華な王座の間、には煌びやかな衣装に身を包んだ二人の人間と、それを取り巻く無数の兵がいた。"
ゆ、め……か?
"王座の間の最奥に鎮座する王座に腰掛けた人物……王。それに跪く金ピカの趣味の悪い鎧をつけた成金。その成金趣味の青年は勇者………と言われていた"
ああ、これムービーか。
プレイヤーはちゃんとストーリーを進めると勇者に認定されこのムービーがきけるのだ。
懐かしいなぁ……このシーン。ナレーション殺してぇぇ。
「なんだ!?きゅ……急に夜になって……え!?なんなんだ!!」
わー、さっきぶりだね、勇者たくや くん。
あ、いきなり夜になった?ああ、俺がベッドで寝たせいかも。
"王のそばに控えていた近衛兵は王の意図に気づき勇者に近づいた"
「勇者よ、まだお前にはこの剣は早かった」
突っ込みどころ満載なんだよなぁ、こいつ気づいてるか知らないけど剣に限らず、金ピカ装備は全てもれなく粉々になったんだが。
今、着てるよね??
"近衛兵は、勇者【たくや】から聖剣を取り上げた"
《System:"勇者【たくや】は聖剣を失った"》
俺がストーリーやった時、王様から貰えた装備は布の服と木の棒だったんだが、何この落差。
「あっ………まて!コラ!てめえ!!!!!」
必死に身体を動かそうとしている勇者たくやに対して体はピクリとも動かず、頭(こうべ)を垂らし、厳粛な様子で、早々死んだ自分を責めているように見えた。
まあ、システム的な問題だとは思うけど。
リアルになるとムービーもこういう風になるんだなぁ……はぇぇ。
「勇者よ、何か申し開きはあるか」
"勇者は反省した。それも山よりも高く、海よりも深く反省した。勇者【たくや】は自分の非を認め、装備を返上することを決めた"
「"王よ……私は、未熟だった。私は素晴らしい装備を身につければ強く、なれるのだと、なれたのだと……勘違いしていた。私は……。
私は、再び旅に出ます。共に戦える仲間を見つけ、装備に頼らず力を身につけてみせます。
この装備は返上致します。
……もし、私が、その装備に見合う。【真の勇者】になれたのならば再び、着けることをお願いしたい" ……って!?は!?え……いやまて!はぁ!!!!!おいおい!何に勝手に喋ってんの俺!!いや、返さねえよ、今のなし!今、悪魔に取り憑かれてた!だからなし!!!!」
"王は、天を仰いだ。今度は落胆ではなかった。王はとして、涙を流すことは許されなかったが、この者を勇者に選んで良かったと、今は感嘆していた"
あーあ、なるほど、結局俺たちと同じ展開か、布の服と木の棒。
あ、でもそういえば俺の時、最初に布の服と木の棒と靴を渡されて負けた後、このムービーで装備剥ぎ取られてパンツ一丁で裸足に、石ころが三つ入った袋を選別に渡されたんだよなぁ……あれは勇者の扱いじゃない。罪人だ。
「勇者よ……そなたの気持ちはよく理解した」
「王様……!!!」
「そなたの装備はこちらに預かろう」
「王様ぁぁぁぁぁぁぁぁいやぁぁぁぁぁ!!!!!」
「勇者よ、これを選別にやろう……。」
《System:"勇者【たくや】は皮の鎧を手に入れた》
「うっ……くっ…さ……」
うわぁ……あれはやだわ。臭いって。
"その様子を見ていた近衛兵ジークプリードは鞘から剣を抜き、そしてそれを勇者に渡した"
「え!?はぁ!おい、はぁ!!?鞘から何でそんなでけえもんが……」
ジークフリードじゃなくてジーク、プ、リードって……パチモンくせぇなぁ、おい!
そのパチモン英雄が勇者に渡した剣……らしきものには、死んだ動物が剣にくっついていた。
ああ、わかるわかる『しんだらいおん』だろ?
「勇者よ……この剣は、聖剣には劣るだろう……だが、きっと君のことを守ってくれる筈だ。僕の分身だと思って使ってくれ。
もし、君が聖剣にふさわしい人間になれた日が来るのならば、その時は君にその剣を捧げよう」
「"ああ、きっとジークプリード貴方にふさわしい男になってみせるッ!!"
おぇっ……やめて!やめてくれ!!!!」
んー、誰得?BL恋愛シュミレーターかな?
《System:"勇者【たくや】は獅子王の剣を手に入れた"》
たくや……ちょっと同情するわ。
「勇者よ!時間はない、行くが良い!!!!」
「"はっ!!!!!"」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます