天使こと妹の登場
「お兄ちゃんさっきから何書いてるの? 」
聞いていると思わず笑みが浮かぶほどかわいらしい声が聞こえた。
僕を学園最弱やラストエンドと呼ぶ人達はいっぱいいるけれども、僕のことをお兄ちゃんと呼ぶ子は、僕の知っているなかで二人しか知らない。 そしてこの鈴を転がしたような声は、僕の妹だ
「お兄ちゃんに問題だよ、私はだーれだ?」
そう言って僕の目を幼い手で隠す妹
もうとっくに謎は解けているが、お兄ちゃんとして全力でこの遊びをがんばる。
学園最弱としての意地とプライドにかけて
「くっ、誰だ!?、まさか僕のことを殺しにきた暗殺者か!?」
演技がかった声で、弱々しそうに僕は言った
「ふっふっふっ、ばれちゃあ、しかたない、そう私はおちいちゃ……じゃ、なくて、君を殺しにきた暗殺者なのです。」
暗殺者とは、思えないほど大きな声で、ターゲットつまり僕に暴露した。
その拍子に僕の目を押さえつけていた手はほどけ、目を開けると朝日が出ていてとても眩しかった。
「ところで、僕の妹よ、学園に行かなくていいの?」
「だって、面白くないんだもん、それよりさっきの続きをやろうよ」
拗ねたようにそう言い、僕の腕を引っ張り早くやろうよと急かす妹、これはお兄ちゃんとして止めなくてはいけない 不登校なんて、お兄ちゃん悲しい。
「学園に行かないと、僕が、怒るよ」
学園最弱から、怒られても何も怖くないと思うけど
「でも、お兄ちゃん、学園にいっつも行って、ないじゃん」
妹から、帰って来た言葉は、僕に60のダメージを与えた。
「いや、僕は学園最弱だから、別に行かなくてもいいんだよ」
全然理由なってないが、妹ならわかってくれるはず、多分
「なら、私も学園序列13位だから、行かなくてもいい?」
ちょっと待って、いつの間に僕の妹は、13位という、すごいことになっているんだ?
「1日だけなら休んでいいよ」
「やった !!」
休みが、そんなに嬉しいのかその場でぴょんぴょんと、跳び跳ねる妹、うん、世界一可愛い
もしかしたら、妹は、大変なのかもしれない、この幼い身で、ありながら学園序列13位という、重荷を背負っているのだから、
「今日は、僕と一緒にどっか行くかい?」
学園最弱である、僕は、この子のお兄ちゃんとして、僕は、妹を甘やかすことしかできない、だからこそ、妹の願いは全部叶えてやろうと、胸に誓った。
「お兄ちゃんとお出かけ久しぶり、楽しみだなぁ」
僕の誓いとは、裏腹に妹は楽しみにしている。
確かに、僕の物語はかっこよくはないけど、こうやって楽しい日々を過ごしていくんだと思っていた、あの最悪な化物と出会うまでは。
勇者育成学校のラストエンド 愛と勇気と希望A @01110220
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