第12話

私は迎え人のナナシです

事故にあった親子を迎えに来ました

供え物がされている机の横に立っている親子に近づき

「あなた達を迎えに来ました、迎え人のナナシです」

母親は私の方を見ると

軽く頭を下げました

少女も私の方を見ると

「迎えにって何処に行くの?お姉ちゃん」

私は少女に目線を合わせて

「あの世ですよ」

母親は少女を抱き締め、泣きながら

「ごめんね、守ってあげられなくて」

少女は不思議そうな顔をしながら

「どうしたの?お母さん」

母親は涙を拭き

「何でもないわよ、それじゃあ行きましょうか」

母親は立ち上がり、少女の手を繋いだ

私は迎えに行く

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