第2話

私は迎え人のナナシです

今日は

虐待によって殺された女の子を迎えに来てます

女の子は

キョロキョロ辺りを見回しています

私は女の子に近寄り

目線を合わせるように

しゃがみこみ

「どうしたの?」と聞くと

女の子は

「ママが居ないの、私が悪い子だから?」

女の子は目に涙を浮かべながら聞いてきました

「大丈夫よ、お母さんは用事があるから居ないだけだよ」

私は微笑みながら答えました

「本当?お姉ちゃん?」

「本当だよ、私はね、お母さんから頼まれて、あなたを迎えに来たんだよ」

「うん、わかった」

女の子はニッコリ笑って

手を繋ぎました

皆さんが想像している通り

この子を虐待していたのは

母親です

虐待していた理由は

言うことを聞かないだからそうです

そんな親でも

一応は親なので

子供には本当のことは言いません

女の子はニコニコしながら

母親の話を嬉しそうに喋っています

私は今日も迎えに行く


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