第4話
昨夜遅くまでかかって金太が拵えたものだ。
「金ちゃん、なに、それ?」
ネズミは小首をひねりながら不思議そうな顔をする。
「これには、我が秘密結社の目的と、掟が書かれてある」
金太はバトンみたいに巻物を手にすると、何度も手首を振りながら話した。
「……」
わけがわからないネズミは、きょとんとしたまま金太を見ている。
◎ ロビン秘密結社の目的
正義のために、ひるむことなく世の中の悪に立ち向かう。
◎ ロビン秘密結社 10の掟
1 結社のことを誰にも話してはならない。
2 仲間と会ったときには必ず「ボラ」とあいさつをする。
3 けして仲間同士隠し事をしてはならない。
4 いかなるときも勇気をふるって悪事に立ち向かう。
5 団員の結束をもって難事件を解決させる。
6 集会には特別な理由がないかぎり出席すること。
7 結社においては男女の区別はしない。
8 呼び出しを受けた場合ただちに集合すること。
9 両親や兄弟を大切にすること。
10 以上のことに反した場合、即刻退会させるものとする。
金太は卒業式をまねて、うやうやしく宣誓書を読み上げた。
「金ちゃん、ひとつ聞いていい?」
「いいよ、なに?」
「この秘密結社ってさあ、何人の仲間がいるの?」
ネズミは目を大きくして訊いた。
「いまのところオレとネズミのふたり」
「たったふたりだけ?」
ネズミはそれを聞いてちょっと気抜けした表情になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます