第4話

 昨夜遅くまでかかって金太が拵えたものだ。

「金ちゃん、なに、それ?」

 ネズミは小首をひねりながら不思議そうな顔をする。

「これには、我が秘密結社の目的と、掟が書かれてある」

 金太はバトンみたいに巻物を手にすると、何度も手首を振りながら話した。

「……」

 わけがわからないネズミは、きょとんとしたまま金太を見ている。


  ◎ ロビン秘密結社の目的

     正義のために、ひるむことなく世の中の悪に立ち向かう。

  ◎ ロビン秘密結社 10の掟

   1 結社のことを誰にも話してはならない。

   2 仲間と会ったときには必ず「ボラ」とあいさつをする。

   3 けして仲間同士隠し事をしてはならない。

   4 いかなるときも勇気をふるって悪事に立ち向かう。

   5 団員の結束をもって難事件を解決させる。

   6 集会には特別な理由がないかぎり出席すること。

   7 結社においては男女の区別はしない。

   8 呼び出しを受けた場合ただちに集合すること。

   9 両親や兄弟を大切にすること。

  10 以上のことに反した場合、即刻退会させるものとする。


 金太は卒業式をまねて、うやうやしく宣誓書を読み上げた。

「金ちゃん、ひとつ聞いていい?」

「いいよ、なに?」

「この秘密結社ってさあ、何人の仲間がいるの?」

 ネズミは目を大きくして訊いた。

「いまのところオレとネズミのふたり」

「たったふたりだけ?」

 ネズミはそれを聞いてちょっと気抜けした表情になった。

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