第14話 帰ってきたリップガール その3
戦闘は、ベタなカウントダウンから始まった。
スリー、ツー、ワン、ゼロ!……ゴゴゴゴゴゴ……チンチン! チンチン!
ドシャ―ア! 海面から大量のしぶきをあげて現れたのは、レトロ感覚満載の路面電車、通称ちんちん電車であった。運転席にいるのはプンスカ・プー。
チンチン! チンチン! チンチン! チンチン!
狂ったように警笛を鳴らす紐を引き続けるプンスカ・プー。目が正気ではない。
各国はアナリカ合衆国の最終兵器の動力はなんなのか? 研究するも軍事最高機密である動力源を解明できていない。ジェットエンジンでもない、ロケットエンジンでもない、みなさんだけにその秘密を暴露しよう。それは、
「精神力」
プンスカ・プーの「飛んでみせるぞ! 必ず!」という、岩をも通す信念に裏打ちされた、強大な精神力が動力源だったのです。
固定観念化された物理法則に囚われている各国は、この自然界の真理に到達できていません。アナリカ合衆国、恐るべし、と言えるでしょう。
チンチンゼロ号に乗ったプンスカ・プーは、リップガール目指してまっしぐら! 空高く舞い上がった。
おお、笑っている、不敵にも笑っているぞ、プンスカ・プー! それは、勝利への確信か? はたまた、訪れるであろう、めくるめく快感への期待感か?
頼んだぞ! 我らのプンスカ・プー!
プンスカ♪ プンスカ♪ プンスカ♪ プンスカ♪
歌っている! 余裕かまして歌っているぞ、プンスカ・プー!
ぼーくは、プンスカ・プー♪ おーどけ者ー♪
おどけ者? ……ううっ……おどけ者にまかせて、大丈夫なのか……
(第十五話 帰ってきたリップガール その4 へ、つづく)
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