第7話 ネットで読みやすい文章·····?
今回はサブタイトルが疑問形で終わっています。
このテーマに関しては自分の中で未だ試行錯誤しているからであり、ネット小説やネット小説ハウツーを書いたネット記事を読み調べつつも、明確な答えがでていません。さまざまな工夫しつつも、失敗とも成功とも結論が出ていないのです。それゆえに今までの話のように、気をつけよう、と言い切ることもできません(つまりオチのない話なので笑いがとれません←一番重要)。
それでも今回このテーマを挙げたのは、こうして話題に挙げることが多くの悩める物書きさんたちが小説を推敲するうえで一助となり、議論する材料になったらいいな、と思ったからです。雑記帳というタイトルにしたのも、こういうオチのない話題をあげることも考えていたためでもありましたし。
というわけで、これから挙げるのは、自分がネット小説としてカクヨムで投稿するうえで行っている工夫点についてです。
決して、こうすればPV上がるぜ! 万人向けに読みやすいぜ! と勧めるものではないので、ふーん、そういうものかーぐらいに思ってください。
○空行の多用について
ネット小説というと、まず特徴として一番あがるのはこの空行の多用です。
ネット小説における空行の意味はなんなのかというと、
・文字が詰まっている状態を解消して文を読みやすくする
・目の滑りを少しでもふせぐ
の二点が主なところかなと思います。
パソコン、タブレット、スマホ、どの媒体で読者が読んでいるかわからないので一番画面の小さいスマホに合わせて読みやすくするための策です。
会話文と地の文の文字数が少なくても、目に留まりやすくなるので、少ない文字量で話が次々に展開していく形式の場合には目の滑りを防ぐ効果もあります。
ネット小説の空行にもいろいろな形式があり、
・一文ごとに空行を入れる
・地の文と会話文の間で空行を入れる
・地の文が長いと同じ場面でも段落(話題の区切り)で空行を入れる
というものがあります。
けど、ネット小説の作法として決まっているものはなく、あくまで作者に任されているようです。
自分は、一文が短い傾向があるので、一文ごとに空行を入れると間延びしてしまいます。なので、地の文と会話文の区切りと、段落で空行を入れるようにしています。
反対に書籍化されている小説の場合、空行の意味というのは、
・場面の転換
・強調したい一文や会話文の前後にいれる
の二点の目的が多いと思います。
そして空行を多用すると使えなくなってしまうのがこの二点でもあります。
場面の転換をする場合一行にしてしまうと、他の地の文と会話文のために空けている空行と区別がつかなくなり、場面転換したいんだよ、という作者の意図がわかりにくくなってしまいます。
では、自分はどうしているのかというと、空行二行は同じシーン内で別の描写を入れたいときの転換、空行三行はシーンと場面を変えたいときの転換、というルールを作ってやっております。
他の作者さんによっては、シーンと場面を変えたいときには◇などの記号を並べて区切るという方法で分けている方もいます。自分も使いましたが、それは話が時間軸を大きく超える場合(回想する時)など特別な場合に用いるようにしました。
強調したい一文に関しても、空行を多用すると、強調したい文が目立たなくなってします。その場合、自分は強調したい文に傍点をつけるなどして対処するようにしています。
他にも空行を多用するとまた別のデメリットも発生するのですが、それは次のポイントにて話します。
○一話あたりの文字数について
一話あたりの文字数について、ネット小説として意識した文章の場合には短くするように意識しています。というのも、空行を多くするとその分長くなり、画面をスクロールする手間が増え、指が疲れてしまうからです。
あとは、カクヨムという仕様もあるかと思いますが、一番小さいフォントでも割と文字が大きく表示される印象です(ここはあくまでも個人的体感です)。なのでその分余計に一画面当たりに表示される文字数が減るのでスクロールする手間が増えます。
なら、一話あたりの文字数が少なければいいかというとそうでもなく、話数重ねていくばっかりで全然話が進まないなんてことにもなりかねません。さらにページ移動する手間も増えます。電波悪い地下鉄で読んでいるとこれが、いらいらすることも…。
多くても少なすぎてもいけないので、カクヨムの場合だと2000字~4000字、多くても5000字中盤ぐらいで収まるように。反対に小説家になろうの方では、4000~7000字、多いと1万字で調節しています。
この文字数については自分はカクヨムをネット小説用(空行多い)、小説家になろうを行間を読み手が調節できるので通常小説用(空行少ない)と分けているからでもあります。とはいえ、小説家になろうも上位作品は空行が多いので、パソコンや縦読みを推奨と注意書きしてます。
大体人が読む速度は1分あたり600字程度なので、3000字ぐらいでおさまると5分、6000字で10分で読める文章ということなので、読んでもらいたい読者の人を考えて設定できると本来はベストですよね。文章の途中で読んだところまでで印をつける機能は、小説家になろうにもカクヨムにもないですし…(アプリやサイトの機能を作者がきちんと把握しきれていない可能性もありますが)。
ただ、話の展開によって文字数が大きく変わるのは致し方ないと個人的には思っています。一読者としても無理に話をぶった切られるよりかは、ある程度まで進めたところで切ってもらいたいと思うので。
余談ですが、カクヨムの自分の連載小説のサブタイトルの番号付けが、
“1. サブタイトル名 (1)”
とカオスなことになっているのは、小説家になろう版とリンクさせつつ、文字数をカクヨム用に調節したからでもあります。一番前の番号に合わせて、一つの話としてのまとまりであるとわかるようにしつつ、()の番号でその話内の順番分けをしてます。
〇ネット小説用に意識している地の文と会話文の調整について
ここは最初に語るとわかりづらいので例文を挟もうと思います。
自分がよくやりがちな文章の傾向として、
・例文1
「ちょっと男子~、そういうことやめてよね(会話文1)」
ミミがにやにやしながら、マサルに指摘をいれる(地の文1)。
「そういうお前だって、ミミって言われているが男子だろうが(会話文2)」
マサルが言い返すとミミの側面にまわり、脇腹をつついた(地の文2)。
と、会話文と地の文が交互になる文章をよくやってしまいます。
これを地の文と会話文の間に空行を挟むというルールを適応してしまうと、文章全体が間延びしてしまいます。
では、これをどうやって調節しているのかというと、
・例文2
ミミがにやにやしながら、マサルに声をかける(地の文1)。
「ちょっと男子~、そういうことやめてよね(会話文1)」
「そういうお前だって、ミミって言われているが男子だろうが(会話文2)」
マサルが指摘に対して言い返すとミミの側面にまわり、脇腹をつついた(地の文2)。
こんな風になるべく会話文は会話文の塊になるようにしています(調節しきれなかった箇所もありますが)。
あとは、会話文のあとの地の文が会話した人物の反応で文の長さが短いときには、
・例文3
「そ、そこは苦手なんだってば!」
と、ミミは身体をくねらせた。
こんな風にあえて会話文と地の文をくっつけてしまうこともあります。発言とセットになっていた方が情報が一緒にインプットされ、読む疲労感も軽減されるかな、と思ったからです(これも個人的体感です)。
と、こんな感じでポイントを3つほどあげました。
他にも一話を短く区切るので、各話の始めと終わりの描写をつけ足して一話として読んでも違和感がないように文を整える、ということをしています。
こんな感じで修正をかけているので、ある程度投稿が済んでいた小説をネット小説用に改稿する場合であっても、元の小説の初回投稿並みの推敲時間がかかります。おまけに、元の小説投稿時では気づけなかった誤字脱字に気づくこともあるので、さらに時間がかかることも…。
それでも変更して読みやすくなっているかどうかは、読者さんのみぞ知るというところですね(ハードル高いと思いますが、ぜひぜひ読み専さんのご意見をお待ちしています)。
もし、ネット小説用に大幅に文章を改稿するぞ、という方は非常に時間がかかる作業なので元の話数まで改稿を終えるまで時間がかかることを覚悟した方がいいです。
改稿した文章が読みやすくなって、PVアップにつながるという保証もありませんし、改稿までの間読んできてくれていた読者さんが離れる可能性もあります。
今いる読者さんを置いてけぼりにしてまですることなのか、じっくり考えられてから実行することをおすすめします。
……とはいえ、あれこれ工夫点を書いては見ましたが、一番読みやすい文章はスクロールの負担があろうが文字が詰まっていようが、物語に入り込めるほど内容が面白いこと、なんでしょうね(遠い目)。
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