第5話 文末、「た」で終わるか、「うの音」で終わるか?
今回は、文末の話です。
皆さんは推敲する時に文末は気にされますか?
自分はとっても気にする方です。
小説ハウツー本やネット小説ハウツーエッセイにも、「た」で終わる文が続くのは良くない、と書かれています。
それだけ起こしやすく、やりやすいエラーってことですね。
こんな風に。
〇例文(実例)
※勇者が死んだ後で未練について回想するシーンにて。
そう言えば、レベルが上がったら入れるエリアに美人な戦闘民族が住んでる集落があったのに、行ってなかった。獣人族の集落も行ってないし、行ってたらきっと猫耳幼女がいたはずだ。さらに鍵開けのアビリティのレベルアップまでもう少しだったのに、開けられていない宝箱がたくさんあった。物色してないあのお姉さんやあの熟女のタンスもまだまだあった。
文末が「た」の文が続く例ですね。勢いに任せて書くと、よくこういう文をやらかします。特に、説明関連の文になりがちになります。
次に多いのが「うの音」で終わる文末ですね。わりと、戦闘シーンやスピーディなシーンでやらかします。こんな感じに。
〇例文2-①
相手の双剣による連撃が自分に迫る。
対して自分も長剣で迎えうつ。
金属と金属がぶつかりあう衝撃で火花が散る。
数合うち合い、自分の技量が相手よりも劣っていることを悟る。
焦りの感情が自分の中に湧く。
スピーディ感はあるのですが、これだと文が単調になりすぎるかな、と思います。
間に「た」で終わる文をはさみたくなります。
じゃあ、実際に交互にやってみよう!
○例文2-②
相手の双剣による連撃が自分に迫る。
対して自分も長剣で迎え撃った。
金属と金属がぶつかりあう衝撃で火花が散る。
数合うち合い、自分の技量が相手よりも劣っていることを悟った。
焦りの感情が自分の中に湧く。
……読んでみていかがですか?
個人的には、後半の3つの文がテンポが悪いように感じます。ただ、この辺の感じ方は、好きな作家さんの文のテンポによって、変わってくるので個人差があるかもしれません。
ともあれ、いまいちな文なので、自分が納得がいくように修正してみました。
○例文2 修正版(※お手本ではありません!)
相手の双剣による連撃が自分に迫る。
咄嗟に自分も反応し、長剣で迎え撃つ。
ガキン!キィン!
金属と金属がぶつかりあう衝撃で火花が散る。
そのまま数合剣を交えていくうちに、あることを悟る。
(この人、強い……!)
悟ると同時に焦りの感情が自分の中で湧いた。
はい、原型とどめてないですね。擬音語を入れていれば、思ったことも挿入してますし。
ただ、このように表現として地の文の文末を変えたくないな、という時には、割とこのように別な文を入れたり、融合させたりして整えています。そして、読み直して文のテンポが悪くないかチェックする。その繰り返しをしています。
…見落としてやらかしていることも多いですが。
文末が同じ音で続いてないか、全体で読んでみてテンポが悪くないか。推敲って本当に難しいですね(遠い目…)
KAC間に合わせるどーっ! て勢いで書いて投稿するなんてことをやらかすなんてもってのほかでした(反省)。
※今回の例文で使用したのはこちら
・おお、勇者よ……は聞き飽きた
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888949979
カクヨム3周年記念選手権の7日目のお題「最高の目覚め」ということで書いてみました。終了日まで改稿しちゃいけないと思って(個人的に誤解して)、投稿した後悶絶した作品です。ちなみに、文は修正しております。
某RPGの有名な迷セリフをネタに書いてみました。ツンデレな王様に萌えたい人はぜひどうぞ。
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