第2話 愛、重くないですか?
サブタイトル読まれた方、すいません。
この話はけっして、恋愛でもラブコメでもありません。
とあるぺーぺーな物書きの失敗談を記した雑記帳です。
では、本題。
物語を書いていると、登場人物に対して愛着がわいてきます。
物語を書いている側としては、その人物に対してあれこれ情報を持っています。
生まれや育ち、熱いエピソード、その先に待ち受ける悲運……。
そして、しんどい場面を書いている時ほど感情移入しがちになります。
例えば、よくある異世界チート主人公ものの物語を書いていたとして、主人公の強さを引き立てるために、モブのやられ具合いを書くとします。
なるべく主人公を引き立てたいからモブのしんどい描写を丁寧に書こう、そうして書いているうちに、そのモブの背景、恋人がいるとか、仲間と熱いやり取りをしていた、など書いていきます。
書いていると作者もしんどくなって、こんだけ辛い思いしてるんだから、救われる描写を追加してあげたいと情が湧いてきます。
で、結果的に何が起こるのかというと、全体的な文章が膨れ上がります。
本当だったら、主人公をひきたてるために、モブキャラの苦労を書いているのに、そこが重すぎたらいつまで経っても本筋が進みません。
そして、物語全体としてのバランスが悪くなってしまいます。
4000字描くのにかかった時間は2時間、物語を書く側はそれだけ登場人物とお付き合いします。でも、読む人にとってみれば、その登場人物との付き合いは5分ぽっちです。その人のバックボーンもあまり頭に残してません。
そこへ、主人公ばりの緻密な描写を描かれたら、
なんで目立ってるの?この人実は重要?
と読者は疑問に思います。
作者と読者でその人物への愛が乖離してしまっていますね。
で、2週間後にその下りを読み返して見ると、作者も賢者モードになって、冷静に振り返ります。
「あ、この描写いらなかった……」
こうして、4000字の描写が1000字に減ったとさ。
愛(描写)を注ぐのも程々にしましょうね♪
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