第7話 狩猟開始だよ


 レアは狙撃準備をする。


 平原まで800mの小高い丘を射撃位置にした。ここからなら平原のほとんどが射程内に収まる。

 

 中距離用ボルトアクションライフル『アックス』 ボルト操作をして弾を装填 射撃準備完了。双眼鏡に持ち替え森と平原の境に意識を集中する。


 今回はぷぷが囮となって、豚猫を森から平原に誘いだしたところを狙撃で仕留める。警戒心が強い豚猫は森に人間が入ったとたん気配を察して逃げてしまうからだ。


 ぷぷ上手くやってくれるかな・・心配だよ


 実際、ぷぷの実力なら豚猫など簡単に倒すことは可能だが、警戒心の強い豚猫は危機を感じると逃げてしまう、そうなると深い森で豚猫を探しだすのは不可能に近い。


 「アレッサ、森のなかはどうなってる?」

 『上手く対象の注意を引いて集めています、その数51匹』


 そんなに要らないのにっ!ぷぷって何でそんなに豚猫に憎まれてるんだろう・・たぶん昔に余計なことをしたんだろうな


 「アレッサ、何匹来るか分からないから弾は多めに準備しといて、あと餅つき速射になるからタイミング調整もよろしく」

 『分かりました』


 餅つき射撃 ボクが射撃→排莢→アレッサが弾を装填→ボクが弾を薬室に装填閉鎖→射撃する。この一連の動作をアレッサと連携で行うので、餅つき射撃と言っている。


 『進路変更 予定位置に向かってます』

 「りょうかーい」


 アックスを構え直し、森の境に照準を置いた。


 『対象視認まで5秒』


 『4』


 『3』


 『2』


 引き金を限界まで絞る


 『1』


 きたッ!


 上手く惹き付けてる でもまだだ全部森から出るま・・・・


 ・・・・ちょっと多すぎでしょ 100匹はいるんじゃない? ぷぷのやつ集めすぎだよ


 照準を見つめる瞳が少し輝き出す


 1発目の弾が発射された。


 衝撃波でレアの肩まである薄い水色の髪がなびく。


 『ヒット』


 最後尾の1匹が頭を地面に激突しながら倒れる。


 それをきっかけに次々に倒れていく豚猫達。

 

 レアのボルト操作は、もはや人の目では確認することは出来ない。

 発射音と発射音の間隔は聞こえない。ただ同じ発射音だけが辺りに響く


 1発目からはあっという間だった、後続からドミノ倒しのように崩れていく豚猫の群れ、そして先頭を走っていた最後の1匹が倒れた。


 音がピタリと鳴り止むと、アックスの銃口から一筋の煙が立ち上った。 


 『全目標103匹沈黙 消費エネルギー2%』


 「アレッサ、お疲れ様 回収業者に連絡お願い」


 『連絡済みです、到着まで60分』


 「よし、ぷぷと合流してお昼にしますか、今回はバネットさんがお弁当作ってくれたんだよ、バネットさん特製サンドイッチ早く食べたよ」


 双眼鏡でぷぷを確認する。


 ん?こっちを見て跳び跳ねている どうしたのかな?まぁ良いや


 「行こう アレッサ」


 『・・・』


 「どうしたの?行くよ」


 『レア 緊急事態です』


 この時、アレッサにある情報が入った。


 ガリア連邦の特殊部隊がバネットの宿を襲ったことを知らせるものだった。


 ☆後書き☆

 レアったら 全部狙撃しちゃって ボクの出番が無いじゃないか!せっかく君にボクのカッコいいところを見せようと思っていたのに。 え?そんなに強いのかって? フフフ 期待して良いと思うよ。アレッサとレアの連携も良いけど、ボクとレアの連携も凄いんだから さて バネットさんの所が大変なことになってるね 早く戻らなきゃ じゃあ 次回も楽しみにしてね。ぷぷッ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る