2020/06/30 23:39/鷦鷯飛蝗

畳のささくれを数える

ひとつひとつ、たいせつになぞって

もうそのようにしか確かめられない

妙な不規則さで鳴る風鈴の

柄だってまだなぞれば思い出せる

古くて急な階段が軋んで

あなたが障子に手をかけた

情報の途絶を足掛かりに

誓って

蓋をしておくことで合意した玉手箱

また小脇に抱えている

気付かないふりでまた一日を過ごせ

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