2020/06/05 0:49/鷦鷯飛蝗

涼夜が風を欠くが如く

快い時の違和感に正対してみると

確かめるだけの視線も馬鹿らしく

また体力を使い

怖いもの見たさと忌避が相克する

得てして密封を孕み

悪意なり哀哭なりに直面する

握られるためにつくられた流線型が

足の裏とはそぐわないように

困難でも可能な企図の無視は

無理が祟って爽籟を飾り立てる

虚ろな移ろいを眺めてみて

じゃあ不動ならば密なのかと問い返してみると

往往にしてねと聞いたような声が応えてくれる

そんな世界に慣れきっていれば

走る悪寒も気になりはすまい

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