閉じる
表示設定
目次
2020/05/31 22:22/鷦鷯飛蝗
老いさらばえ、痩せこけた脹脛が
複数の輪郭を纏って
しわがれた、黒ずんだ爪先も
揃えられ、並べられるだけで
老練な流麗さを漂わす
縮れ毛と埃が薄く積もる
換気扇の音だけ響く黄色い光の中
つるり。
冷たくは無かった。
暖かくもなかった。
陶器の産道はただなだらかだった
自分が貯めてきた汚濁を掬い取りながら
肋の浮いた脇腹をすぼませ
骨同然の腕を畳んで
吸いこまれていった
ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）
応援したユーザーはいません
応援する
アカウントをお持ちの方はログイン
カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
カクヨムに登録すると作者に思いを届けられます。ぜひ応援してください。
新規ユーザー登録（無料）
カクヨムに登録して、気になる小説の更新を逃さずチェック！
カクヨムに登録して、お気に入り作者の活動を追いかけよう！
応援すると応援コメントも書けます