2020/05/30 23:54/鷦鷯飛蝗

すべすべした陶器にも凹凸はあって

そういう瑕疵に経過が溜まる

つまるところ汚泥の夢であって

木板を覆う樹脂が熱湯で白変するように

裁断された年輪は年代記のコラージュであって

形だけ熱を帯びたやる気のない亀裂が

換言を繰り返して違えきった意味をもとに

現実のパッチワークで組み直された

遺骸の冷たさも当たり前のものだろう

火入れのしようもない

隙間だらけの融合炉

漏れる光を視る

視るからには灼けるこの眼も

いつか自ら弾けるよりはいい

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