2020/02/10 0:21/鷦鷯飛蝗

柔らかな月を

舐めたあなたの身じろぎが

空を裂いて

小さな穴を繋げました

拡がって

刳り抜いた空の皮が

へばりついてあなたの

かみのけはひかりました

だって見えたんだ

そうじゃなくちゃ僕

燃えたって還れない

灰も土も

腐らないならみんないっしょだ

降ってくる

ぱらぱらと降ってくる

かぐわしくなんてないけれど

ぜんぶおいしくすいこんだ

満たしきって、肺

ざらざら舞う火の粉で

焼き斬って、胚

芽吹いたらそれでおしまい

そうして枯れても

ただ肥しになる

終らない演舞

空の穴から

あなたの種が届く度

逃さず叫ばず

踊り斬る舞

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る